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安井ゼミ

安井 大輔(専攻領域:エスニシティ論・移民研究・食の社会学)

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現代世界の多文化化とエスニシティ

テーマの説明

本演習は、現代の日本および世界で進展する多文化やエスニシティについて、知り考えることがテーマとなります。異なる文化というと外国の文化習俗を想像するかもしれませんが、多様な属性の人びとが同じ空間に共存する現代は、社会のいたるところに異文化が存在します。さらに国境を越えて移動する人々の増大によって、複数の文化が共に在ることが当たり前の時代となっています。そして現在、「異なる」文化をもつ人びとが単に在るだけではなく、人びとどうしが共に市民として生きる社会をいかにして実現するのかが問題とされています。この演習では、こうした時代を読み解くために、異文化、多文化、エスニシティ、移民、人種、国民、難民といったキーワードを軸に、さまざまな思想や具体的な問題・取り組みを比較することを通じて、いかにしてよりよい社会を実現できるかを議論していきます。主に移民やエスニシティをめぐる内容を予定していますが、関連するレイシズム、ナショナリズムについてもできるだけ扱っていきたいと思っています。

ゼミのすすめ方

春学期は、文化やエスニシティをめぐる基本的な知識を獲得するとともに、これらをより深い次元で理解・考察するために、文献を輪読していきたいと思います。深い次元とは、文化や民族というさも当たり前で自然な存在のように感じられる概念それ自体を再考することを含みます。秋学期は、みなさんの学習状況に応じて、輪読を進める、個人やグループでの研究報告を発表する、簡単なフィールドワークを行うといった展開を予想しています。またこの演習の受講者は、本学の教養教育センターと社会学部が展開している「内なる国際化」プロジェクト にも参加してもらいますので、そのつもりで応募してください。

初回のガイダンスで、参加者の自己紹介および係り決めをおこないます。また使用するテキストやテーマについて相談し、春学期の発表の順番を決めます。なお担当教員は、上記のテーマにあげた問題群を食(文化)の観点から分析・考察することを専門としています。食とエスニシティ・ナショナリズムといったテーマに関心ある方がおられるようでしたら、関連文献(英語論文など)を読むことも考えます。

使用予定テキスト・参考文献等

参加者の関心を踏まえて相談のうえで決定します。はじめに読む入門書の例としては以下のような文献を考えていますが、参加者の問題関心を踏まえて適宜紹介していきます。本や論文をみなで議論しながら読み解いていくのは、たいへんかもしれませんが大学ならではの経験であり、自らの世界を広げる絶好の機会です。コツコツやっていきましょう。

  1. 青柳まちこ編訳, 1996, 『「エスニック」とは何か-エスニシティ基本論文選』新泉社
  2. アンドレア・センプリーニ著, 三浦信孝・長谷川秀樹訳, 2003, 『多文化主義とは何か』白水社(文庫クセジュ)
  3. 上原善広, 2005, 『被差別の食卓』新潮新書
  4. S・カースルズ&M・J・ミラー著, 関根正美・関根薫監訳『国際移民の時代』名古屋大学出版会
  5. 鎌田慧, 1998, 『ドキュメント屠場』岩波新書
  6. 田中宏, 2013, 『在日外国人 第三版』岩波新書
  7. ななころびやおき,『ブエノス・ディアス、ニッポンー外国人が生きる「もうひとつの日本』ラティーナ
  8. マルコ・マルティニエッロ著, 宮島喬訳, 2002, 『エスニシティの社会学』白水社(文庫クセジュ)
  9. 渡邉靖, 2015, 『<文化>を捉え直す』岩波新書