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八木原 律子 (担当科目:精神保健福祉援助技術総論)

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専門領域あるいは担当科目の紹介

精神保健福祉援助技術総論

「精神保健福祉援助技術総論」を担当します。

精神障害者の歴史的処遇の変遷と共に、制度・政策がどのような変化を遂げてきたかを学習します。その上で、精神保健福祉士は福祉的サービスを必要とする障害者に、どのようなサービスを提供していけばよいか、また、新たな支援のプログラム開発を目指しながら関連領域である医療・保健・教育・経済・雇用・司法などを包括的に学んでいきます。

1997年に誕生した精神保健福祉士は、2017年2月現在73782名が登録しています。この間、医療や福祉以外でも精神保健福祉士が配置されるようになり、職域の拡大は益々広がっていくことが予測されます。何故必要とされているのか、その経緯にも触れていきます。自己洞察を深めながら、専門技術の必要性を一緒に学んでいきましょう。

本講義では、実践で活躍されている外部講師を招き、知識を深めていきたいと思います。

専門領域の理解を深めるための文献紹介

  1. 吉川武彦『こころの病事始め-精神障害者問題入門-』明石書店
    本書は心のメカニズムを分かりやすく説明してあり、精神障害者を理解する上で参考になるでしょう。また歴史的に精神障害者がどのような処遇を受けてきたのか、そしてそれぞれの時代でその偏見と闘ってきた人々はどんな働きをしてきたのかを、やさしく解説しながらこれからの精神保健福祉の課題を提示しています。精神保健福祉を学習したいと思っていらっしゃる皆さんにお勧めの1冊です。
  2. 森田ゆり『エンパワーメントと人種―こころの力のみなもとへ―』解放出版社
    わたしたちは潜在的に苦しみや悲しみ、迷いや不安に立ち向かう力を持っています。しかしながら、外敵や内敵から思うように自分の力を発揮できないことも本当です。本書では、自分が自分であるために、安心して生活していけるよう、自分の意志で、自信を持って生活していくことができるように、分かりやすく解説してくれます。福祉職に従事したい人には、必ず自分と向き合う場面が起ります。その時のためにまずはこの本で勇気をもらって下さい。
  3. べてるの家の非「援助論」浦河べてるの家 医学書院 2002年
  4. 伊藤恵美・向谷地生良編 『認知行動療法、べてる式。』医学書院 2007年

3,4に関しては、「浦河べてるの家」からたくさんの出版物が用意されています。また、『精神看護』という医学書院から出版されている月刊誌に、「ぱぴぷぺぽ新聞」が掲載されていて、精神障害者の生活が理解できます。サバイバーの人達から勇気と安心と自信をもらいましょう。

その他

精神保健福祉分野に入った動機

この領域に入ったきっかけは、学生時代、宮本忠雄先生(東京医科歯科大学教授)の正常と異常についての論文をよみ、境界線はどこにあるのだろうと興味を持った事から出発したように思います。民間精神科病院での実習中に、副院長の一言「3週間で精神障害者のケアなど解りっこない。本当にこの道を目指そうと思ったら週に2~3日、6ヵ月程続けてみないとね」という刺激的な言葉や、そこで働く精神保健福祉士からも「職場を離れた時の精神保健福祉士の生活を覗いてみなさいよ。協力してあげる。」というすばらしい提案をいただいて、早速、各先輩方の生活を転々とする長期実習を開始することになりました。 個人的な状況を説明することはできませんが、6人の女性スタッフの私生活を垣間見せていただくことで、仕事と自分の生活、患者さんと自分、余暇の楽しみ方等多くの学びを提供していただきました。私の活動の原点になっています。

正常と異常の境界線については、私自身、今もって明確な解答は得ていませんが、時代的背景や思想の変化、地域住民の許容力によって違いがあるのだということが理解できたように思います。