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ボイス学科から

 社会福祉学科には福祉の多様な分野について学びを深めるゼミがありますが、今年度、私たちが学ぶ明石留美子教授ゼミには「国際福祉」に関心のある学生が集まりました。私たちゼミ生は、国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)という17のグローバル目標の5番目に該当する「ジェンダー平等の実現」に注目しました。ジェンダー、性差別について知識を深める中で「開発途上国の女の子の現状や支援」に関心をもつようになり、僅かながらも大学生の力で何か支援に結びつくようなことはできないかと考え、プロジェクトを企画しました。

 まず、「開発途上国の子どもたちの支援」を行う国際NGO、プラン・インターナショナルの働きかけで国連が定めた「国際ガールズ・デー」に着目しました。私たちは、女の子の未来を支えるプラン・インターナショナルの活動理念に共感し、社会福祉のアドボカシー(利用者の権利を守り、利用者を代弁する社会福祉の活動)の観点から、プラン・インターナショナルの活動を多くの人に伝え、開発途上国の女の子たちへの支援の輪を広げるという企画を立てました。そのプロジェクトの一環として、プラン・インターナショナルの理事長を務める池上清子さんにお話を伺うこととしました。

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右から、プラン・インターナショナル理事長の池上清子さん、
戸谷恵(明石ゼミ生)、筆者(山口沙織)

プラン・インターナショナルと開発途上国の女の子

 まずはプラン・インターナショナルの活動について伺いました。

 プラン・インターナショナルは「誰も取り残さない」を目標に活動されています。その背景には2015年に国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が採択されたことがありました。SDGsとは国際社会が2016~2030年に成し遂げるべき17の国際目標のことですが、この目標達成には企業の牽引も欠かせないと池上さんは語られました。これまでは開発途上国の支援は政府開発援助(ODA)、公益財団法人、NGO、個人などが行ってきましたが、SDGsの採択を機に、企業はさらに積極的に社会への貢献を果たしていくべきだと考えられるようになりました。現に企業の開発途上国への投資は大きく、途上国の経済を左右するので、企業がSDGsを踏まえた途上国の開発計画を後押しする投資をしていけば、その国の経済成長とともに持続可能な社会の変革の達成に貢献できるでしょう。今は誰でもどのような業種でも社会の構成員として地球全体のこと考えなくてはならない時代であると説明されました。途上国の人々も先進国の人々も誰一人取り残さず、満足できる暮らしを目指していくという考え方が重要になっているのです。

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 そして、現在「取り残されている人々」の中で最も多いのが幼い女の子たちですと話す池上さん。開発途上国の中には貧困による口減らしのために、親がまだ幼い女の子を結婚させて家から出すことが多いと言います。早すぎる結婚によってまだ体が充分に成熟しないうちに出産し、健康リスクを負うなど、女の子の望む未来を奪ってしまう危険があります。日本がそうであったように、途上国も経済的に豊かになれば、多くの家庭の環境が整えられ、女の子たちが児童婚を経験せずにすむはずだと言います。そして徐々にではありますが、プラン・インターナショナルの支援によって、貧しくても幼い時に結婚することなく、自分らしく自分のために生きられる女の子が増えています。「日本ではこのようなことが起きていないのでラッキー。でも本当にそれで終わり?世の中はラッキーではない、恵まれない女の子たちもいるということを、私たちは再認識しなければなりません。」と、池上さんは私たちに熱いメッセージを届けてくださいました。

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明治学院大学の教育理念"Do for Others"に向けて

 私たち学生に向けてのメッセージも伺いました。

 明治学院大学の教育理念は"Do for Others(他者への貢献)"です。ボランティアの機会も多い大学ですが、それについて「ボランティアは気持ちだけでできるものではありません。相手の望むことを察知して動ける能力のある人がボランティアには必要です。」というメッセージをいただきました。一方で「ボランティアは、自分のやりたいことをすることで自己実現につながるし、多様な人にも出会えます。他の人への行いは、自分にもかえってくるのです。」というお話も。

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大学生へのメッセージ
 
 さらに、国連本部や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連人口基金(UNFPA)を含めて国際的に活躍されてこられた池上さんに「将来どのような職業に就きたいか、何をしたいのか迷っている学生」へのメッセージも伺いました。

 「まだまだやり直しがきく時期。本当にやりたいことを探してみることが大事です。でもその前に情報を集めること。ネットの検索だけでなく、様々な分野で活躍した人の伝記などの本を読んでみたり、色々な人からお話を聞いてみたりして掘り下げていくと良いでしょう。それから企業に当たってみるのも良いですね。」とアドバイスくださいました。

インタビューを終えて

 関心をもったことは即座に小さな電子機器で調べられ、また簡単に世界中と繋がりをもてる時代。溢れんばかりの情報を選別して集めた者勝ちのような今、個人で完結してしまい、少しずつ人との関わりが薄れているような気がします。そんな時代だからこそ「人との繋がり」を大切にし、広い世界を知ることが"Do for Others"への確実な道なのではないかと、池上さんから気付かされるインタビューでした。

明石ゼミ・リーダー
山口沙織