明治学院大学社会学部社会学科は、2023年度にカリキュラム改訂を行います。その中でも「表現・実践関連科目」は、メディアの現場で活躍するプロから学ぶ「メディアクリエイティブ演習」(23年度までは「表現法演習」)、「メディアクリエイティブ特論」(新設)によって、よりキャリアや実際の制作に近い実践的な学びができるようになります。

 現役学生によるユニット、レヴィ=スクロースが、「表現法演習」の経験を活かして活動している学生や、実践的な表現に取り組んでいる学生にお話をうかがい、社会学科の学びがどのように繋がっているかを取材しました。

 シリーズ第3回となる今回は、映像制作会社へ就職した4年生にインタビューし、社会学科での4年間を振り返っていただきました。映像制作の実践である表現法演習を履修し、実際に企画書の作り方を学ぶ社会学特講を聴講したことで、自身のキャリアに役に立ったといいます。また、映像の専門学校ではなく大学の社会学科を選んだ理由はどのようなものだったのでしょうか。

山田華世さん
2001年生まれ。社会学部社会学科4年。同世代に観てもらえるテレビ番組を作りたいと思いつつ、休日はNetflixを観ている矛盾と葛藤している。推しはなにわ男子とSEVENTEEN。推しバラエティー番組は「King & Princeる。」

──本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、「表現法演習」を履修されて、「社会学特講」を聴講されたということですね。まずは表現法演習についてお聞きしてもいいですか。

 映像制作の授業でコロナ禍だったので、どこかに行って撮影することはできなくて、個人で映像制作の課題に取り組みました。
 序盤は、例えば先生の1分間の自己紹介があって、それを30秒の動画にまとめる課題があって、終盤には5分間の動画を自分で企画して、編集して提出する課題があったので、そこに向けた企画書を作っていました。

──どういった動画を作られたんでしょうか。

 今の大学生がどういう風にディズニーランドで過ごすのかをテーマにしました。

 例えばお金の使い方であったり、時間の使い方とかが幼い頃と今とでは全然違うと思うんです。今はお金に余裕があって、ご飯にかけるお金が増えたり、以前はアトラクションを楽しんでいたのが、今はご飯を食べる時間にかけたり、という変化に注目しました。

 講義の最後には、それぞれが作った動画をみんなで見る機会があって、コメントをする時間もありました。先生からも、このテロップはここにした方が視聴者も理解しやすくなるとか、この後のフレームは画角をもっと大きくした方がいいといった、具体的なフィードバックをしていただきました。

──履修ではなく聴講されたという「社会学特講」についてはいかがですか。

 社会学特講を担当されていたのは海辺潔先生という方で、ドラマを中心に多くのテレビ番組をプロデュース・演出してきた方でした。

 そもそも海辺先生の講義に「もぐった」理由として、ゼミの論文で「制作者視点で、今放送されているテレビのバラエティー番組の中で面白いものは何か」ということを聞きたくて、質問をするために教室に行ったことがきっかけでした。いざ講義を聴いてみたところ、企画書の作り方というテーマで講義をされていて、すごくためになる!と思ったんです。
 というのも、当時から映像制作会社のインターンシップに参加していたんですが、どこも企画書を作る課題が出ていて、そこに活かせるなと。そこで講義で先生からお聞きした番組を観て、自分で斬新な特徴などを分析して、こういうバラエティーを今後作ればもっと視聴者に受けるんじゃないかという考察をしました。


──インターンシップの選考で企画書ですか!
 
 どこも選考があって、課題が厳しかったです。映像制作と企画書と、エントリーシートを出してクリアすれば参加できるんですが、社会学科での講義がなかったらと考えると、表現はよくてもエントリーシートで問われると結構きついっていうことはあるかもしれないです。そういった課題や質問に対して、それまでに習ったことを踏まえて考えたことが、大きな会社のインターシップをの選考でも役に立ったなと改めて思います。

 映像制作会社への就職活動で、学生時代に頑張ったこととして「NHKのドラマプロデューサーの方の映像制作の講義でこんなことをやりましたよ」ということも言えましたし、体感ですが、面接でも好意的に受け止めていただけた気がしています。

 私自身、どこかに行って何かをやるっていう実践的なことをしてなかったからこそ、そういったインターンシップで制作側の意見を聞けるっていう場にたくさん行って、スキルを身につけないとと思っていました。映像系の専門学校に行っている人の存在が常に頭の中にあって、その人たちよりスキルが劣ると思ったので、その分たくさん経験したくて。
 結果的には、大学で学んだことを活かして、インターンで学んだことを大学の授業で活かしてみたいな、そういう相互作用で折り合いをつけてやっていたので、大変ではありましたけど、すごく有意義な時間だったと思います。


──専門学校と大学の社会学科で迷った時に社会学に進学した理由はどういったものでしょうか。

 専門学校に入った後に映像に関わることに対して、失望だったり、思ってたものと違うっていう状況になることへの不安があったんです。もしもそうなった時に修正が効くからということで大学を選んだのかなと思います。蓋を開けてみれば、同期でも就職が決まった制作会社は専門学校出身が1人だけでした。

──大学で社会学を学ぶということについてはどう感じていますか。

 一つのものに集中しするとどうしても視野が狭くなって、他のことに対して柔軟な考え方ができないと思います。
 スキルは社会人になってからも身に付くと思いますし、それこそ企画書を作る時のアイデア出しで活きるのは、学生時代までに築き上げた知識と経験だと思うので、様々な分野の知識を自分のものにできるっていう面においては、社会学科を選んで良かったなと思います。


──今は卒業論文を書かれているところだと思いますが、こちらの方はいかがですか。

 卒論では、若者のテレビ離れを止めるために、インターネットとの連動を駆使して、いかに若者にテレビの利用価値向上を促すかというのをテーマにしているんですが…。自分自身も、卒論ではテレビテレビって言っておきながら、休日にはNetflixを観ているという矛盾があって、ジレンマを抱えながら書いていますね。

──テレビのファンを増やす、ということですね。

 卒業論文を書いているときに海辺先生に質問をしたことがあって、私は「インターネットの連動をした方が、若者にどんどんテレビを訴求できるんじゃないか」と思っていたんですけれど、先生からは「テレビはすごくネットフリックスに勢力を抑えつけられていて、これからはネットフリックスに追従するか、それとは別に新人スターを生み出す媒体にするかのどちらかじゃないか」とお聞きしたんです。

 私が見たバラエティー番組に「PRODUCE 101」があって、それは一般人から101人を集めて、そこで視聴者投票で視聴者投票で選ばれた11人がデビューする企画だったんです。結果、そういった番組があったからこそ、その101人の練習生を知ることができました。
 各局が制作するドラマでもそれは同じで、若手俳優若手女優がたくさん出演していて、それをきっかけに売れていったりしますよね。テレビという媒体を生かしてスターを育てるっていう風に変えていけば、若者もそういうアンテナを張っている人がたくさんいると思うし、もっとニーズに添えるんじゃないかなと思います。

──「テレビはネットフリックスに追従するか、スターを生み出す媒体になるか」、なるほど…。

──山田さんには今後の「野望」があるそうですね!

 ゼミ論文や、今の卒業論文で考察したことが生かせるようなバラエティー番組を作りたいなと思います。バラエティーに限らず、そこで得たものをドラマであったり、違う媒体の映像コンテンツに活かせたらなと。
 
 やっぱり若者に受ける企画を作りたいなと思っていて、正直なところマンネリっていうか、これ面白いの?っていうコンテンツがたくさんある現状で、そこを打破できるようなものを作りたいです。
 究極的には私の推しが「なにわ男子」と「SEVENTEEN」なので、推しを推せる番組を作りたいというのが野望です。
 例えば日本テレビの「King & Princeる。」っていう番組も、ユニットの特徴や、メンバーの人となりが理解できて、魅力を存分に引き出して、それを活かした企画がたくさんあるので、よく見ていますし面白いなって思います。個々の魅力を引き出す企画だからこそ、キャストも自然体で楽しくやっているように見えますし、将来的には視聴者もキャストも楽しめるような企画を担当したいなと思います。

──今日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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