明治学院大学

明治学院大学

社会学部

付属研究所

付属研究所

付属研究所 相談・研究部門公式SNS

  1. Facebook
  2. Instagram
  3. X
  4. LINE

ステップファミリーにおける家族形成プロセスの研究-5年間の変化に見るストレスとサポート

 

研究者代表 野沢慎司
研究者 早野俊明、茨木尚子、菊地真理

私たちの研究グループは、2001年に誕生した当事者支援組織(SAJ)とも連携し、日本のステップファミリーに関する先駆的で学際的な共同研究(社会学・社会福祉学・法学)を進めてきた。その発端は、特別推進プロジェクト「現代社会における技術と人間」であった。

これまでに行ってきた継親・実親60名に対する半構造化インタビュー調査(2001年6月~2005年11月)の協力者から有意抽出し、再調査の依頼に応じていただけた3家族、5名のステップファミリー当事者(親/継親)に再インタビューを実施することができた。いずれも前回のインタビューから5~6年の時間が経過しており、いくつかの大きな出来事を経験し、それぞれの家族関係に変化が生じていることが明らかになった。とくに子どもの成長にともない、親子および継親子関係や夫婦関係の変容が見られた。なかでも、子どもの成長段階が思春期にさしかかる時期の親子および継親子関係の難しさをどう乗り越えるかが重要な局面として浮かび上がった。一方、思春期から成人期への変化は家族関係の新たな段階への移行を示唆している。しかし、子どもの成長段階のみならず、それ以外の多くの条件によってステップファミリー内の家族関係に多様性がもたらされると考えられる。少数のケースから一般化可能な知見を導くのは難しく、さらに多様なケースの時系列的な変容過程を追いかけて比較分析を行うことが今後の課題となっている。

開催したステップファミリー研究会では、里親家族研究の和泉広恵氏(日本女子大学)をゲストスピーカーに招いて、里親家族とステップファミリーとの差異と共通点について有意義な議論を行うことができた。

社会学科・社会福祉学科の情報を発信しています。