社会学も社会福祉学も人に寄り添うことを大事にします。それは、人や事物について一面だけで判断せず、また、他との比較や利害で評価するのではなく、言葉で説明しづらい情感などを含めて他者を理解し、尊重しようとする姿勢です。ともに喜び、ともに苦しむという意味の共感にも通じるところがあります。
若いときの人づきあいには、自然と共感をともなうことが多くあります。同じことに笑い、泣くといった共通の経験や感情に限らず、友人が大事にしているものだから自分も大切に思う、などの経験も普通に生じます。このような共感は、幼い子どもにもできることでありながら、誰もがいつでも簡単にできることではありません。
そして残念ながら、現代社会ではその貴重さが増しているようです。
大学生活とくに社会学部は、寄り添うことの重要性と、それが現代社会において必要とされつつ困難であるしくみの両方を学び、体得する場です。人、知識、体験など、新たな出会いがあり、考えを深め、話し合うことができます。
まだ感染症対策のためにいろいろな制限が残り、多くの人と対面できる機会も減っていますが、オンライン環境もふくめて対策も整いつつあり、いろいろと工夫は可能です。何よりも、皆さんとの出会いを待ち望んできたのは在校生やスタッフも同様です。
ぜひ、一緒に学びの場をつくっていきましょう。
この大学生活において皆さんがすばらしい出会いに恵まれますように、そして、その出会いを私たちが共に大事にしていけることを願っています。