社会福祉学科のカリキュラムの最大の特徴は、「ソーシャルワーク実習」「精神保健福祉援助実習」「福祉開発フィールドワーク」「社会福祉調査実習」「インターンシップ」といった参加型プログラム(実習/インターン)を数多く用意し、アクティブラーニングに力を入れている点にあります。また「ソーシャルワークコース」と「福祉開発コース」の2コース制により、2年次からそれぞれのコースに分かれて専門の学びを深める体制を整えています。
導入教育として、1年次から「アカデミック・リテラシー」および「基礎演習」という少人数クラスによる演習(ゼミ)が用意されています。これらの演習を通して、入学してすぐに、本の読み方、文献の探し方、レジュメの作り方、プレゼンの仕方、レポートの書き方、グループワークの進め方等をしっかりと身につけていきます。またこれらの演習は少人数であるため、個別指導も含めて教員と近い距離で大学での学びの基礎を習得でき、さらに各教員はコース選択や将来のキャリア形成に関わる相談にも応じることができます。
1年次の専門的な講義科目として、「社会福祉学概論」および「社会福祉学」(明治学院共通科目)で社会福祉学の基礎を学ぶことができます。さらに1年次の秋学期から「ソーシャルワークの理解」と「福祉開発の理解」が開講されており、2年次からのコース選択と将来のキャリア選択を見据えたオリエンテーションの役割を果たしています。
ソーシャルワークコースでは、社会福祉士もしくは精神保健福祉士国家資格取得を視野に入れ、専門性の高いソーシャルワーカーの養成教育をおこなっています。ミクロな対人援助の方法だけでなく、マクロな地域・政策・行政の課題まで含めた幅広い学びを深めるカリキュラムを用意しています。これらにより、各種相談支援機関や社会福祉施設等はもちろん、地方自治体、社会福祉協議会、病院等で働く専門的ソーシャルワーカーを育てています。
実習教育には特に力を入れており、2年次に約2週間の実習、4年次に約5週間の実習をおこないます。実習は、社会福祉の施設、機関、病院、行政機関等でおこない、実習分野(領域)は、児童、障害者、高齢者、医療、公的扶助、地域福祉、精神保健などに分かれています。実習をフォローし、事前事後学習を進めるための少人数の演習(ゼミ)も用意し、実習を含めた4年間の学びの集大成として卒業論文をまとめていきます。
これらの演習とは別に、社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験のための対策講座を用意しており、3年次からこの講座に参加することが可能です。
*ソーシャルワーク実習の詳細については「実習」をご覧ください。
福祉開発コースは「福祉社会の創造に貢献する」を目標に、専門職による支援だけでなく、広い視野で"Do for Others"を実現する社会・世界・企業のあり方を学ぶコースとなっています。「グローバル共生エリア」「子ども・若者エリア」「リサーチ&イノベーションエリア」という3つのエリアを設定し、履修モデルとして学びを誘導しています。
2年次には「福祉開発フィールドワーク」を開講しており、北欧福祉先進国での社会福祉研修、開発途上国での参加型教育・研修プログラムの体験、さらには国内でのコミュニティ創生や社会イノベーションに関わる各種フィールドワーク・プログラムに参加することができます。
3年次には、NPO・NGO、協働組合、一般企業等でのインターンシップおよび社会福祉調査実習に参加することができます。海外留学をめざす者や卒業後に多国籍企業等で活躍する卒業生も多く、グローバル/ローカルな社会について幅広く学べるカリキュラムを意識しています。教職課程を選べば、中学・高等学校教諭(公民)および特別支援学校教諭(一種)免許状を取得することができます(毎年本採用実績があります)。
*福祉開発フィールドワークの詳細については「フィールドワーク」をご覧ください。
なお、どちらのコースに所属していても演習・実習を除くほとんどの講義科目を履修することができ、ミクロからマクロまで幅広く人間社会と社会福祉をトータルに学ぶことのできるカリキュラムとなっています。履修できる科目の多さは、社会福祉系の学科のある大学の中ではトップクラスのもので、現役のソーシャルワーカーや実践家が講師を勤める科目も多くあります。
社会福祉学科では、「多文化共生ファシリテーター」「多文化共生サポーター」の認証を得ることができます。これは、移民問題やこれに付随する人権問題に対して鋭い洞察力をもち、外国につながる人たちを包摂した共生社会を生み出す担い手として、所定の学びを修めた者に与えられるもの(学内認証資格)です。「内なる国際化論」等の指定科目より所定の単位を取得し、かつ「ボランティア実践指導」を取得することにより認証が得られます。
3年次・4年次には、より専門的な演習(ゼミ)に所属して、大学らしい学びを深めます。
ソーシャルワークコースでは、ソーシャルワーク実習もしくは精神保健福祉援助実習と並行して履修する「ソーシャルワーク演習」もしくは「精神保健福祉援助演習」があり、実習での体験を基礎に考察・分析を進めながら卒業論文を執筆していきます。
福祉開発コースでは、演習1および演習2として複数の領域(分野)による専門的なゼミナールを開講しており、各自の関心にもとづいて選択することができます。4年次の演習2ではそれぞれ研究テーマを定め、卒業論文の執筆を進めます。
両コースとも、優秀な卒業論文には、厳正な審査を経て「社会学部長賞」が授与され、卒業式で表彰されます。
*演習と卒業論文の詳細については「演習」をご覧ください。