「アカデミックリテラシー」とは、直訳すると「学問的な読み書き能力」を意味します。社会学科に入学したら、まず、社会学の教科書と『社会学科生のための学びのガイド』をじっくり使いながら、社会学を学ぶための基本的な「読む」「聴く」「議論する」「書く」スキルを身につけます。
大学での学び、特に社会学の学びは、一般的な高校までの学びとはかなり異なります。基礎ができないまま進級しても、課題をうまくこなせなかったり、ルール違反を犯してしまったりします。「アカデミックリテラシー」では、4年間の学びの基礎となり、卒業後も役に立つ、学び方、表現の仕方の基礎をしっかり身につけます。
大学生としてレポートを書くのに必要なのは、適切な文献を探すスキルです。データベースと検索技術が発達している現在とはいえ、コツを知らずに探しても、大量の情報から学問的に意味のある文献は見つけ出せません。また、文献を参照したら引用の手続きを踏むのも、基本中の基本です。このルールを無視したら、大学では処罰の対象となりますし、社会ではそれ以上の責任を問われることにもつながります。図書館やWeb上での文献の探し方と、引用の際の手続きを、みっちり学びます。
文献を読むときに大切なのは、論理を追うことです。高校まででしばしば求められるように、作者の心情を探ったり、共感を示したりする必要はありません。文献のポイントと論理を明確にし、疑問点や議論したい点を書き添えた「レジュメ」にまとめて報告する技法を身につけます。実際に発表して議論をする際も、論理的に反論を述べたり、答えを導いたりできるよう、教員が指導していきます。
社会学科で要求されるレポートは、「作文」や「小論文」とは根本的に違います。作者に共感したり、身近な事例を語ったり、末尾に決意表明をしたりする必要はありません。学問的に意味のある問いを立て、必要な資料を集めて論理的に結論に導く、数学の証明のような作業こそが要求されます。テーマの見つけ方や問いの立て方、論理的な文章を書くパラグラフライティングの技法や全体の構成の仕方を学び、実践します。
「アカデミックリテラシー」では、平均15名の少人数クラスで、このような考え方の基本を手厚く指導します。生涯にわたって議論できる友人をつくりながら、生涯にわたって使えるスキルを身につけましょう。