こんにちは、社会福祉学科の明石留美子と申します。
社会福祉というと皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。社会福祉と聞いて連想するのは、障害、介護、児童虐待などではないですか。社会福祉は人々の生活全般に関わり、一般で考えられているよりかなり幅の広い分野で、これは私自身が社会福祉の学びと研究を通して実感していることでもあります。
社会福祉の領域では人々への支援をソーシャルワークと言います。現在、世界で取り組んでいる持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDG's)のように、ソーシャルワークにも世界の共通理解となっているグローバル定義があります。このグローバル定義では、「ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々や様々な構造に働きかける」とあります。
では、私たちの最終ゴールであるウェルビーイングとは何でしょう。ウェルビーイングについて様々な研究が積み重ねられているにも関わらず共通定義がないのが現状ですが、身体的、精神的、社会的に満たされた状態にあって多面的な幸せを持続して感じることと理解することができます。幸せを望まない人はいません。このように考えると、人々のウェルビーイング、幸せを追求する社会福祉は、他者への支援に限らず、自分自身や家族にも役立つ学問であるとも言えます。
社会福祉学は知識のみならず実践を伴う学問です。社会福祉学科で4年間学び、卒業していく学生たちには社会福祉の知識やスキルに加え、人権、多様性、社会貢献などの社会福祉マインドが育っていることがよくわかります。社会福祉を志す私たちは、日本のみならず外国の人々、社会の課題に取り組み、課題解決とウェルビーイングの向上を目指すチェンジメーカーであり、こうした人材は、多様化や複雑化が進む現代社会のあらゆるフィールドで求められています。
社会福祉学科で培った社会福祉マインドは、他者や自己を支える礎となります。社会で暮らす私たちのウェルビーイングが少しでも向上するためには何が必要で、何をすべきか、共に学びを深めていくことを願っています。