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日本宗教の異文化布教に関する社会学的研究

 

研究者代表 渡辺雅子

本プロジェクトでは、日本宗教の異文化布教に関する事例として、韓国を対象に、立正佼成会韓国教会およびプサン法座所、韓国金光教(ソウル活動センター)および本洞教会で調査を行った。

佼成会の韓国布教は1970年代には在日韓国人のルートを使って行われ、教会長家族は元在日韓国人である。現在では韓国佼成会のメンバーはすべて現地韓国人で占められる。佼成会は先祖供養と心なおしを教えの根幹におく新宗教であるが、韓国の伝統仏教との違いを在家仏教、生活仏教・現代仏教として示し、法座の活動をとおして生活に結びついた実践を目指している。金光教の場合、戦前に教会がおかれていたが、戦後途絶え、1990年代から布教を再開した。現在は二人の韓国人教師がおり、各々「取次」に従事している。日本からの派遣者は彼らの活動を助ける役割にある。

日本宗教の韓国布教の場合、他国とは異なる事情として、三六年にわたる日本の植民地支配による反日感情の存在を無視することはできない。日韓関係の出来事によって、繰り返し喚起される反日感情によって、日本からの宗教ということは、それ自体ネガティブな色彩をもっている。今回の調査では、近年の展開を跡づけるとともに、布教課題における適応課題群のひとつである現地化の問題について、儀礼等における日本性の希釈の実態、韓国様式の取り入れについて、日本性の持続と変容というテーマで接近した。

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