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ステップファミリー研究セミナー企画―アメリカと日本の比較検討

 

研究者代表 野沢慎司
研究者 茨木尚子 早野俊明 菊地真理 緒倉珠巳

 

このプロジェクトは、過去10年間にわたる国内のステップファミリー研究とステップファミリー支援実践の成果を米国との比較の視点から評価するための国際会議の開催を目的としたものである。そして、2011年7月2~3日に明治学院大学で「日米ステップファミリー会議」が開催された。米国におけるステップファミリー研究の第一人者であるマリリン・コールマン教授とローレンス・ギャノン教授(いずれもミズーリ大学)を招いて、基調講演を行っていただいた。さらに日本の社会学・法学研究者および支援実践者のシンポジウム報告では貴重なコメントをいただいた。講演とシンポジウムの全内容を収録した『日米ステップファミリー会議2011報告書』(112頁)を2011年度末に作成・発行した。
日米の比較から浮かび上がってきた論点を要約すれば、①ステップファミリー内部の関係性やそのダイナミクスは似ていること、②むしろステップファミリーを取り巻く社会環境と社会制度の違いが大きく、それが個人や家族の生活に影響を及ぼしていること、の2点に集約できる。シンポジウム席上でギャノン教授は、「(日本側の)すべての報告を貫くテーマは『曖昧さ』ではないかと思います。日本でもアメリカでも、継親の役割は不明確であり、曖昧です。友人の心理学者に言わせれば、『曖昧さ』こそが私たちにストレス状態をもたらす」と述べる一方で、日米の相違点としてアメリカではすでに離婚した両親による共同監護を前提とした制度化が進んでいることを指摘していた(上記報告書72-73頁)。米国という比較の準拠点を設定したこの会議は、日本における10年間の研究・実践の意味を確認し、次の目標を定める上で大きな意義をもたらした。

 

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