「遺伝子」や「DNA」といった用語がメディアに頻繁に登場するようになった。遺伝子組換え、遺伝子検査、遺伝子治療などの技術は、食糧や環境、医療や司法などの問題を解決する手段として期待されている。その一方で、技術の応用による法的・倫理的課題、社会的格差などの問題も指摘されている。遺伝子技術はいかなる社会や文化に、私たちを導くのだろうか。本書はこのような関心から遺伝子と社会について深く描く意欲作である。