- 柘植あづみ・加藤秀一[編]
- 松原洋子・橳島次郎・西川伸一・藤川賢・柿原泰・大瀧敦子
齋藤有紀子・武藤香織
「遺伝子」や「DNA」といった用語がメディアに頻繁に登場するようになった。遺伝子組換え、遺伝子検査、遺伝子治療などの技術は、食糧や環境、医療や司法などの問題を解決する手段として期待されている。その一方で、技術の応用による法的・倫理的課題、社会的格差などの問題も指摘されている。遺伝子技術はいかなる社会や文化に、私たちを導くのだろうか。本書はこのような関心から遺伝子と社会について深く描く意欲作である。
文化書房博文社 2007年9月発行
定価3,570 円(税込)ISBN978-4-8301-1085-6
目 次
- 序文 柘植 あづみ
- 第一章 遺伝子決定論、あるいは〈運命愛〉の両義性について
――言説としての遺伝子/DNA 加藤 秀一
- 第二章 遺伝子・患者・市民 松原 洋子
コラム1 遺伝子を扱うルールの形成――その望ましいあり方 橳島 次郎
コラム2 生命倫理問題とは――ヒトES細胞をめぐる議論を例に 西川 伸一
- 第三章 遺伝子組換え問題をめぐる消費者の弱点
――先端技術リスクの当事者として 藤川 賢
コラム3 遺伝子組み換えの科学技術と倫理 柿原 泰
- 第四章 ディスアビリティとインペアメントの間
――遺伝子技術をめぐる「当事者」へのインタビュー調査 大瀧 敦子
コラム4 「卵を提供すること」について考える――医学研究のために卵を提供
する可能性のある人へのヒアリング調査から 齋藤 有紀子
コラム5 「オーダーメイド医療」からみえる科学性と不確実性 武藤 香織
- 第五章 遺伝子化された生を越える 柘植 あづみ
- 解説 加藤 秀一
- 引用・参考文献
- 索引