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実習(社会調査士資格)

社会調査実習

社会学科では、毎年度、社会調査関連科目の総仕上げとして、1年間の「社会調査実習」が開講されています

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「社会調査実習」とは,社会調査の企画から,実査,データ分析,報告書の執筆までを,10~15名ほどの少人数で1年間かけて行う科目です。専門の教員の指導のもとに,学生自身がフィールドに出てデータを集め,さまざまな方法で分析を加え,得た知見に基づいて年度末に報告書を作成します.自らの手で「社会学」を実践することができる,貴重な機会です。社会学科の学生は3年次にこの「社会調査実習」を履修することができます。また,2年次には「社会調査実習」の準備ともいえる「フィールドワーク演習」という科目も置かれています。これらの科目は、社会調査士資格に必要となる科目で、とくに「社会調査実習」は仕上げとなる重要な科目です。

社会調査実習:見えない社会を捉えるトレーニング

浅川達人(社会学科教員/2016年度社会調査実習委員)

社会学は,社会に生起しているさまざまな事象について研究する学問です。そのためには,「社会」をなんとかして把握しなければなりません。ところが,「社会」は目で見ることも,手で掴むこともできないため,実際に「社会」を研究するとなると,我々は途方に暮れることになります。

目には見えないのですが,「社会」が我々の前に姿を現すときがあります。たとえば,エレベーターに乗ったときに「社会」が姿を現します。日本国内でエレベーターに乗った場合,互いに注視することなく,なんとなく視線を避けて,初めて空間を共有する他の乗客に対して無関心を装うことにより,他者を気遣います。ところが,欧米諸国でエレベーターに乗った場合は,にっこり笑顔で挨拶を交わすことによって,初対面の他者に気を遣います。その場において,どのように振る舞うべきかという指示が明示されていなくても,その場の定義を読み取り,適切に振る舞うことを我々は要請されます。それができる人が「社会」人であり,そのような振る舞いを身につけることは「社会」化と呼ばれます。このようにして「社会」が我々の前に立ち現れるのです。

 このように,我々の行為を水路づけるかのように働く「社会」を把握するための試みが社会調査です。こう書くと「社会」が私たちの外に在って,私たちは常に「社会」によって操られているように感じますが,実際はそうではありません。私たちが「社会」に形を与えているという側面もまたあるのです。「◯◯ヤバ!」といったつぶやきがtwitter上をにぎわせると,「◯◯のよさ,すごさ」の形が「社会」のなかに,徐々に形成されていくといったことだってあるのです。となると,社会調査は,そのような「社会」の変化をも把握しなければならないことになります。

そのために,社会調査という試みは,極めて創造性が高い試みとならざるを得ないのです。ひとつのきまった型があって,その通りに遂行すれば,たちどころに解が得られるという類いのものではない。掴みたい「社会」に即して,手を替え,品を替えアプローチしなければならないのです。そのためにはトレーニングが必要であり,それは実習という授業形態において,教員と学生の協働作業が必要となるのです。見えない「社会」を捉えるトレーニングに,積極的にチャレンジしてくださることを願っています。