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主任メッセージ

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社会学専攻 主任
藤川 賢

社会学専攻主任メッセージ

大学院が多様化して大学院生の人数も増えたとはいえ、大学院で学ぶことは、大学生活とはまったく違う一面を持っています。その一つは、研究者・社会人としての社会的責任の重さにあると思います。強く言えば、研究職に就くことをめざすかどうかとは別に、大学院での学習は、やはりプロとしての研究なのです。それは、誰も踏み込んだことのない新しい道に一歩を踏み入れることでもあります。
ただし、一人で新しい道に入るといっても、孤独な作業ではありません。逆の言い方をすれば、あなたが大学院で選んだ研究テーマには、単なる個人の選択を超えた社会的意味が与えられるのです。大学院での学習・研究は、孤独なものでありながら、指導教員をはじめとする複数の教員や院生仲間などが、そのテーマの社会的意味を一緒に考えるという共同作業でもあります。学部でも似た状況はありますが、大学院ではあなたの新しい一歩に、より強い力点が置かれます。

現代社会は新しいものにあふれ、新しい研究テーマも豊富です。でも、企業の新商品開発と同じで、誰でも思いつくような新しいアイデアはどんどん陳腐化していきます。むしろ、なんだかよく分からない、言葉にするのも難しいけれど感じてしまう違和感あるいは「何か気になること」の方が大事かもしれません。C.W.ミルズが社会学的想像力として指摘したように、個人の問題はより大きな社会的問題とつながっています。そうしたつながりと関連性を意識しながら、小さな疑問に向き合い、一つずつ事実を確認する作業が社会学の重要なプロセスです。
同じ問題や疑問や感覚を抱いている人は他にもいることでしょう。でも、多くの人はそれに向き合う余裕がないのです。それらが積み重なって現代社会は「分からない」ことが増え、何が「分からない」かも見えにくくなり、かえってそれが自然になってしまっているのかもしれません。そこで立ち止まり、考え、調べようとすることが、大学院で社会学を学ぶことにつながるように思います。
上で述べたように、それは「自分の」仕事でありながら社会的な作業です。そして、一人ではありません。どの問題に関しても社会はつながっており、多くの人がそこにかかわっています。そして、見渡せば大学院の内外には、あなたが選んだテーマの社会的意味を考えようとする仲間などがいるはずです。

明治学院の社会学専攻は、多様な研究スタッフがリベラルな研究環境を尊重し、これまでも有意義な研究成果と修了生を送り出してきました。その伝統を大事にしていきたいと願っています。