久保美紀 |
Miki Kubo |
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専門領域およびその概要
◆ソーシャルワークの理論史、価値・倫理、福祉哲学・思想
ソーシャルワーク実践理論をどのように構築していくのか、ソーシャルワークの理論と実践をどのように連結していくか、歴史的視点も踏まえて検討しています。そして、ソーシャルワーク実践の根拠となる価値、その根源にある哲学・思想の探求を試みています。
◆近年の研究テーマ
- エンパワーメント論。当事者主体の実践理論としてのエンパワーメントモデルの構築に取り組んでいます。それは、ソーシャルワークの価値論の探求でもあります。
- セルフヘルプグループの意義。クライアントこそわが師という思いが根底にあります。そして、これをとおして逆説的にソーシャルワークの価値を探っています。
- 生と死をめぐる領域におけるソーシャルワーク。ソーシャルワークが、ターミナルケア、ホスピス、自殺といった、死をめぐる問題にどのように取り組むか、検討しています。
- 更生保護とソーシャルワーク。犯罪者の社会的回復の支援のあり方を、社会福祉の立場から探っています。
担当授業
社会福祉学は人間の生活・人生にかかわる学問です。人間の幸福や福祉の追求のためには、制度やサービス供給システムを有効に機能させる援助実践が重要な意味をもっています。授業では、ソーシャルワークの共通基盤を理解し、ソーシャルワークにおける援助の意味について、学んでいきたいと思います。
◆担当授業での使用テキスト・参考文献
- 得永幸子『「病い」の存在論』地湧社、1984年。
- 久保紘章『自立のための援助論』川島書店、1988年。
- 中村雄二郎『臨床の知とは何か』岩波書店、1992年。
- メイヤロフ,M./田村真・向野宣之訳『ケアの本質』ゆみる出版、1993年。
- 森岡正博編『ささえあいの人間学』法蔵館、1994年。
- 加茂陽編『ソーシャルワーク理論を学ぶ人のために』世界思想社、2000年。
- ケンプ,S.・ウィッタカー,J.・トレーシー,E./横山穣ほか訳『人-環境のソーシャルワーク実践』川島書店、2000年。
- 小松源助『ソーシャルワーク実践理論の基礎的研究』川島書店、2002年。
- マーゴリン,L./中河伸俊ほか訳『ソーシャルワークの社会的構築』明石書店、2003年。
- ジョンソン,R.・ヤンカ,S./山辺朗子・岩間伸之訳『ジェネラリストソーシャルワーク』ミネルヴァ書房、2004年。
研究業績
- 「スキルの教育と訓練」岡本民夫・平塚良子編『ソーシャルワークの技能』ミネルヴァ書房、2004年、175-193頁。
- 「ライフストーリーとストレングス視点」同志社大学社会福祉学会編『社会福祉の思想・理論と今日的課題』筒井書房、2004年、224-234頁。
- 「実践のためのアプローチ」日本社会福祉士会編『新社会福祉援助の共通基盤(上)』中央法規、2004年、245~263頁。
- 「社会福祉援助専門活動(ソーシャルワーク)の主要モデル」成清美治・加納光子・久保美紀編『新版社会福祉援助技術』学文社、2005年、41-54頁。
- 「エンパワメント」坂本道子・丹野眞紀子編『社会福祉援助技術論』建帛社、2006年、186-191頁。
- 「当事者主体のソーシャルワーク実践」『研究所年報』34号、2004年、127-138頁。
- 「障害者自立支援法とエンパワメントソーシャルワーク -ケアマネジメントをめぐって-」『ソーシャルワーク研究』33-2、2007年、36-43頁。