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学科主任メッセージ

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社会福祉学科主任
深谷美枝

今、どこに立つか

福祉の仕事につくのが美味しそうな時代がしばらく前にありました。沢山の大学に社会福祉学科か雨後のタケノコのように新設され、ともかく福祉へ福祉へと人が集まりました。しかし、その時代は終わり、どんな社会福祉の現場も求人難という声ばかりがこだましています。

まあ、少しだけ昔に戻った、と言ってもいいでしょうか。私が大学受験をした時代は福祉学科を進路に選ぶと言っただけで変人扱いされたり、挙句の果てには近所の大学の先生、この方は経済学者でしたが、の前に座らされて説教をこんこんとされました。福祉を学ぶことや現場で働くことのハードルがかなり高かったのです。

福祉を学ぶこと、またその上で現場に出てソーシャルワーカーとして働くことは、一時よりはしっかりした意志が求められる時代になって来ました。

みなさんは勿論、様々な進路を取られることでしょう。企業で働く人、福祉の施設や機関、病院等で働く人いろいろおられることと思います。私が教員として皆さんに望むこと、これは学科の先生方誰しもが同じではないかなと思いますが、「今、どこに立つか」だけは社会福祉学科で学んで行って欲しいということです。様々な課題を抱えた人、人権を侵害されている人、声を上げにくい人など、「生活のしづらさを抱えた人」「被抑圧状況にある人」たちの側に立つことだけはしっかりと身に沁み込ませていって欲しいのです。

数年前ある大手の保険会社に就職して一年目の卒業生が言いました。得意先回りをしていても、その人の生活や家族の問題が心配になり、ついつい話を聞き過ぎてしまうと。私は思わずニンマリしました。また障害者雇用をしている企業に勤めた卒業生はどうしても、障害を持った人たちの出来ないことではなくストレングス(強み)を見て、知らない間に意志を代弁する役割、アドボケイターになってしまっている自分がいる、と言いました。またしめしめ、と私は思いました。

みなさんが社会の中でこんな立ち方が選べたら、私たちの教育は大成功です。こんな立ち方を出来るように、社会でし続けられるように、心から願っています。