Shinichi Oka
| 社会福祉学とはなにかへ |
専門領域およびその概要
社会保障論
社会保障論は社会福祉学科において対象範囲が広い学問です。各種社会福祉や公的扶助、社会保険や公衆衛生や住宅政策等まで社会保障に含まれます。個人的にも、広く社会保障一般を専門とします。とりわけ、世界で最も先進の福祉国家である欧州諸国を中心とした国際比較研究に従事してきました。とかく国内的な性格の強い社会保障、社会福祉の領域にあって、かねてから国際的な研究に従事してきました。一般的な社会保障論が極めて国内的な性格であるのに対して、「国際社会保障論」なる新たな学問領域を構築しています。現在は社会保障論Aを総論として社会保障一般に関する基本構造を解説し、社会保障論Bでは各論として年金、健康保険、失業保険、労災保険、介護保険、児童手当、生活保護等に関して制度ごとに紹介していきます。社会保障は改革が急でもあり、最新の情報を基にしています。
近年の研究テーマ
広く社会保障の国際的な研究を行っています。国連やILO,EU、欧州評議会等の国際機関が制定する社会保障に関係する国際条約、協定から、二国間,多国間の協定まで、社会保障に関する国際的な問題を解決するための取り組みに関心を持っています。特に、社会保障が世界でも最も進んだ国々が集まっている欧州の事例を研究しています。具体的には、以下のようなテーマです。
- 国際社会保障協定、条約
- EUの社会保障政策
- 欧州評議会の社会保障政策
- ILOの社会保障政策
- 外国人への社会保障の適用
- 社会保障における男女平等と母性保護
- 福祉的雇用の国際比較
- 失業対策と社会保障の関係
- 国際的な社会福祉NPOの研究
- 国際福祉協力と国際貢献
- 福祉移住の研究
など
担当授業
学部担当授業
- 社会保障論A
- 社会保障論B
- 国際社会保障論
- 福祉開発の理解
- 福祉開発フィールドワーク
- 基礎演習
- 演習1
- 演習2
大学院担当授業
- 社会保障論研究A
- 社会保障論研究B
- 研究指導1
- 研究指導2
- 研究指導(社会保障論研究)
※詳細はシラバスをご覧ください
担当授業での使用テキスト・参考文献
<社会保障論>
- 岡伸一『社会保障論』学文社
- 厚生統計協会『保険と年金の動向』最新年版
- 日本ソーシャルワーク教育学校連盟編『最新社会福祉士要請講座7社会保障』中央法規出版
<国際社会保障論>
- 岡伸一『国際社会保障論』学文社
- 岡伸一『グローバル化時代の社会保障』創成社
- 佐藤進『国際化と国際労働・福祉の課題』勁草書房
- 高藤昭『外国人と社会保障』明石書店
<国際福祉論1(欧州)>
研究実績
【著書】(単著)
- "Pension and Employment Policy for the Aged in an Active Society",(ルーヴァンカトリック大学法学博士号取得論文)KUL,1986.
- 『ベルギーの労働事情』日本労働研究機構、1991年
- "Conditions of Work of Older Workers",ILO,1991.
- "Social Security Law: Japan", International Encycropaedia of Laws,KLUWER,1995.
- 『欧州統合と社会保障』ミネルヴァ書房、1999年(早稲田大学商学博士号取得論文)
- 『失業保障制度の国際比較』(単著)学文社、2004年
- 『国際社会保障論』(単著) 学文社、2005年
- 『損得で考える20歳からの年金』旬報社、2011年
- 『新社会保障ハンドブック』 学文社、2015年
- 『欧州社会保障政策論』晃洋書房、2016年
- 『それでも年金は得だ』旬報社、2018年
(共著 論文は省略)
社会的活動
鷺沼カトリック教会(サレジオ会)所属信徒,横浜YMCA社会福祉法人理事
社会保障関係各種委員,学術誌編集委員等
プロフィール
1957年、埼玉県生まれ。 立教大学経済学部卒業
早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得、商学博士号取得(1997年)
1984年、ベルギー政府給費生としてルーヴァンカトリック大学社会保障法研究所研究員、同大学Ph.D(法学博士号)取得。
1988年、大分大学経済学部助教授、1996年より教授
1997年、東洋英和女学院大学人間科学部教授
2002年、明治学院大学社会学部社会福祉学科教授
1990-91、1992-93、2006-07年、ルーヴァンカトリック大学客員教授
2009年、アメリカのホープカレッジ交換教授
2010-11年:社会福祉学科主任、2012-14年:ハラスメントセンター長、2015-2020年まで宗教部長
2022年より総合支援室長