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藤川ゼミ

藤川 賢(専攻領域:環境社会学、社会変動論)

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環境と地域社会

テーマの説明

友だちがくれたものを通してその人をなつかしむように、私たちは、何かのものを通して人の存在を意識することがあります。それは特別なことではなく、災害時などにアルバムや手紙が見つかった時には誰のものか分からなくても大切に扱われたりします。同じように、山や木や建物やあるいは食べ物などが地域で特別な意味をもつこともあります。

環境とは、このように他者と自分との共通性を考える一つの手がかりの意味をもつものなのかもしれません。100年後の子孫たちも私たちと同じように酸素が無ければ生きていけないはずですし、同じように故郷の山が緑を保っていることを望むはずだと、私たちは感じます。

ただし現代の社会ではこうした共通性がどこまで通用するか、単純に決めつけることはできません。多様な文化や利害やその他の諸条件によって、「共通性」が異なるかもしれないからです。環境を社会学的に学ぶとは、「私たち」の範囲を確定するより、いろいろと「私たち」の範囲や視野を変えながら、共有されるもの、多様なものを整理し、分析していく作業だとも言えます。

このゼミでは、フィールドワークなどを通して、「私たち」の環境の広がりを認識し、他者や社会について見直すことと、自分なりの具体的なテーマを決めて、自ら調査と考察を行い、新たな知見を引き出すことを目的にしています。

ゼミの進め方

ゼミでは、できるだけ具体的なテーマを通して、地域や環境に関する、私たち自身と遠近さまざまな社会との関係を探っていきます。消費者、生活者、市民、個人など、いろいろな言葉で表される私たちの位置を見直し、そこから社会的な活動につなげていければうれしいです。希望としては、できるだけ大学の外に出ていろいろな人や風景などに触れていければと考えています。

テーマは、皆さんの関心にあわせて相談して決めます。4月から5月にかけて、環境に関する基礎的な文献を読みながら、テーマの広がり、互いの関心などについて議論していきます。その際、簡単なフィールドトリップを実施します。6月からフィールドワークを準備します。この数年は、いくつかの小グループに分かれて具体的なテーマについて調査し、それをもとに全員で議論を重ねるパターンが多いです。2016年度の場合は、「震災からの復興と支援」「都市の防災」「原子力発電・再生可能エネルギーと地域社会」「ごみの減量化をめぐる意識」「観光と環境」「緑化と住環境」「水をどう選ぶか」「大気汚染対策とごみ処理」などかなり多様な関心があり、明確なグループにはしないで、消費者の意識と行動、企業と行政の協力といった討論テーマを設定しているところです(6月時点)。

夏休みの前後にフィールドワークを行い、秋からは、調査や考察の結果をもとに、理論的な文献にも触れながら、議論を重ねていきます。

主要な参考文献

一年を通して一冊のテキストを使う予定はありません。読む文献は、ゼミ内で相談して決めます。なお、ゼミ開始前の参考文献として、たとえば次のようなものがあります。

  1. 飯島 伸子  『環境社会学のすすめ』 丸善
  2. 嘉田 由紀子 『環境社会学』 岩波書店
  3. 鳥越・帯谷編 『よくわかる環境社会学』 ミネルヴァ書房