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半澤ゼミ

半澤 誠司(専攻領域:文化産業、経済地理学)

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文化と経済の関係を考える

テーマの説明

この演習では、様々な文化的活動を取り上げて、その活動における経済的要素にも目を配ることで、文化と経済の関係性を学んでいきます。ここでいう文化的活動とは、文化産業や芸術そのものであり、それらと社会の様々な関わり方です。ちなみに文化産業とは、映画、音楽、テレビなどの、文化的要素を商品とする産業のことです。そういった産業は、新聞などでは「コンテンツ産業」と呼ばれたりしますし、国際的には「創造産業」との呼び名が一般的で、日本でも徐々に使われるようになってきました。ただ、一番概念的に包含する対象が多い用語が文化産業であり、本ゼミの性格としても対象は何でもありですので、ここでは文化産業を用います。

伝統的には、社会学に限らず一般的に、文化と経済は相反するもの、あるいは関連性が薄いものだと考えられてきました。しかし、伝統芸能やオーケストラのようなものであっても、運営していくには経済性も考慮に入れねばなりません。また、純粋な経済活動と思われるような製造業であっても、多くの消費者向け商品には、デザイン性などの形で、何らかの文化性が組み込まれています。さらには、芸術祭のように、文化振興が経済振興になるという事例にも注目が集まるようになってきました。したがって、それぞれは不可分なものなのですが、やはり文化と経済は大きく性質が違う部分もあり、文化性を優先し過ぎると経済性が損なわれることがあります。もちろん逆に、経済性を追求しすぎて文化性が失われたりもします。

ところで、ここまで文化と経済の定義を示さないで話を進めてきましたが、漠然としたイメージだけでも、今までの話は大体想像が付くと思います。しかし、学問を行う際には、みんな何となくそんなイメージを持っているから、分かるよね? という訳にはいきません。文化とは何か? 経済とは何か? その関係性とは何か? そしてそれぞれが社会の中で、一体どういう役割を果たしているのか? あるいは障害となっているのか? といった問に対する議論には色々なものがあります。すぐに答えが出る話ではありませんが、様々な文献を読んでいく過程で、理解を深めていきます。

現在の社会で、経済および文化と関係がない事象はまずありません。文化と経済の関係をみることは、社会をみることでもあります。経済的側面と文化的側面を同時に考慮しながら、社会を理解できるようにしましょう。

使用予定テキスト・主要な参考文献

基本文献として最初に下記の文献を取り上げる予定です。他の文献、特に具体的事例の文献は、参加者の興味関心に従い、改めて指定します。基本的には、本よりも学術論文の比重を高める予定です。なお、履修者の希望に応じて英語文献を読むこともあります。

  1. 文化経済学会(日本)編(2016)『文化経済学-軌跡と展望』ミネルヴァ書房.
ゼミの進め方

通常の授業は、春学期と秋学期共に、文献輪読形式で行います。毎回、発表者にレジュメを用意の上、報告してもらい、それについて参加者全員で議論する形で進めます。発表者以外の参加者にも、事前に文献を読んだ上で議論に参加してもらいます。

夏合宿への参加は必須であり、各自で文献を収集し論を立てて発表する課題を課しています。さらに期末課題として、夏合宿の発表を発展させた12,000字以上の論文を、1月中頃締切りで提出してもらいます。また、1月末ぐらいに、次期ゼミ内定生に出席してもらってこの論文に関する発表会を行うつもりです。

以上のように、発表や課題などは一人でこなしていくことになります。ただ、必ずあるとは限りませんが、他大学との交流ゼミが開催される場合などには、グループ発表の準備を行うことがあります。

それから、ゼミ生から要望があれば、課外活動として、美術館や芸術祭などを見に行こうと思います。ただし、旅費や参加費などが一定程度かかってしまいますので、強制参加ではなく、行きたい有志だけで行く形ですし、そもそも希望がなければ実施しません。