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坂口ゼミ

坂口 緑(専攻領域:生涯学習論・市民社会論・コミュニタリアニズム)

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今、なぜ、コミュニティか

テーマの説明

コミュニティに対する社会の期待が高まっている。不思議なのは、コミュニティへの注目が、どうすれば再生するのか、どうすれば活性化するのかという話といつもセットになっている点である。近年の社会学の言説では、人間関係はたいてい希薄化し、コミュニティは不安定で、絆も脆弱化している。背後にあるのは、グローバリゼーション、リスク社会、個人化といった変動だとされる。そして不安の増す時代だからこそ、居場所としてのコミュニティの希少性が高まると説明される。

本ゼミでは、このようなコミュニティをめぐる言説が、なぜか特定の文脈におかれがちなことを意識し、コミュニティをめぐる議論をおいかけたい。過去においては、どのようなコミュニティが、どのような理由で期待されていたのか。それが何をきっかけに変化したのか。その結果、現在はどのようなコミュニティが期待されているのか。現代社会をいったん相対化するために、社会学、政治学、教育学の各領域にまたがる過去50年くらいのコミュニティを取り上げた文献を選び、時代背景を意識しながら読み進める。

なぜ、今、コミュニティか、という問いをおいかけていると、コミュニティデザインの問題は何か、町内会や自治会の役割とは何か、コミュニティを開くとはどのようなことか、シチズンシップとは何か、ソーシャル・キャピタルとは何か、コミュニティガバナンスとは何か、多文化化する社会とは何かといった問題に接続する。社会学部と教養教育センターの共同プロジェクト「内なる国際化」のイベント等にも積極的に参加し、現代コミュニティのあり方を考える機会としたい。

使用テキスト・参考書・論文等
  1. 松下圭一, 2003, 『社会教育の終焉』公人の友社.
  2. 奥田道大,1983,『都市型社会のコミュニティ』勁草書房.
  3. 伊豫谷登士翁・齋藤純一・吉原直樹, 2013, 『コミュニティを再考する』平凡社新書.
  4. 山崎亮, 2012, 『コミュニティデザインの時代』中公新書.他
ゼミの進め方

2017年度は文献講読とフィールドワークを中心とするゼミを予定しています。過去5年を振り返ると、「ボランティア・NPO・社会的企業」「ボランタリーセクターを支える人」「都市と学習」「ソーシャル系大学とは何か」「新しい市民大学の系譜」というテーマを取り上げ、グループワークを行ってきました。2016年度は文献講読の量を増やし、フィールドワークをしたあとに文献を読むということも試し、なかなかよかったのではないかと思っています。そこで、2017年度もぜひ、読み、議論し、考えるというゼミを運営してみたいです。テキストはコミュニティ論に関連する文献や、参加する学生の興味関心に合わせて選びます。そして、議論から生まれたアイデアを元に、都内のイベントや生涯学習関連施設等に見学に出かけたり、ゲストを招いたりといった小さな企画を実現させたいです。せっかく東京の真ん中にある大学なので、街のあちこちに出かけていきたいという思いが強いです。企画のアイデアを一緒に考えませんか。

授業は次のようにすすめます。3年生春学期の授業は文献講読とグループワークを行います。ゼミ合宿では、文献講読の続き、ディベート、秋学期以降取り組むコミュニティ論に関連する個人研究のアイデアについての発表などを予定しています。秋学期の授業は、個人研究のテーマを考えてもらい、ゼミ論に向けて知識を深めてもらいます。学内学会での発表(11月か12月)も予定しています。

4年ゼミの開講は未定ですが、希望する人が全員卒論を書けるような環境を準備します。