人がなぜ協力をするのかについての冷戦崩壊までの説明は、アクセルロッドのtit-for-tatなど、人間の合理性から協力の生成を導く理論が主でした。しかし近年は、人間の非合理的な感情などから社会契約を導くブライアン・スキルムスの進化モデルなどが注目されています。こうした規範理論を、進化ゲーム理論を用いて考察しています。
震災が人々の健康に影響を与える中で、コミュニケーションの役割を検証しました。また、家族構成(結婚、離婚、出産など)が健康に与える影響などの論文を書いてきました。 家族、企業、地域社会、科学技術など従来人びとのシェルターとなっていたものが揺らいでいくときに何が起きるのかについての研究です。
日本はLGBTへの寛容性が国際的にみても高いといわれていますが、その内実や要因についてはあまり分析がなされていません。量的・質的データからその内実に迫ってみたいと思っています。これも「後期近代」の研究です。科学研究費「21世紀市民社会における性的マイノリティーへの寛容性の計量分析」(研究課題番号:26380706)研究代表者
ゲーム理論や文化社会学、社会意識の分析などを通じて、人間のコミュニケーションについて考えてきました。最近ではダンスなどの身体的コミュニケーションも面白いと思っています。「Disce gaudere 人生を楽しむことを学べ」(セネカ)という言葉をいつも頭に思い浮かべています。
このゼミでは、ギデンズがいうところの後期近代の日本社会を対象に、人びとの価値観やコミュニケーションが以前と比べてどう変わったのか、なぜ変わったのかを考えていきます(今年が記念すべき第一期です)。こうした考察は、異質な他者とのコミュニケーション・共生へのヒントとなると思われます。
グローバリゼーションの進展を背景に、家族、企業、地域社会、科学技術など従来人びとのシェルターとなっていたものが揺らいでいき、社会の複雑性、不確実性が上昇しているように受け止められています。その時、人びとの価値観はどのように変容し、コミュニケーションはどのような形をとるのでしょうか。こうしたことに関して、主に社会調査データを使った文献を読んでいきます。
具体的には、①性的マイノリティーをめぐる議論を中心に例に異質な他者に対する社会的包摂や寛容性の拡大と問題点を議論し、②対人コミュニケーションツールとしてのサブカルチャーの役割や、③SNSなどのソーシャルメディアやマッチングアプリにおけるコミュニケーションの特性に関して、インタビューや統計データに基づく分析結果を解釈していきます。④サード・プレイス、居場所づくりの研究も行っています。⑤マッチングアプリについての量的および質的調査もはじめました。