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大久保ゼミ

大久保 遼(専攻領域:メディア論 文化社会学 映像文化史)

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文化とテクノロジーの社会学/ デジタル時代の文化社会学

テーマの説明

現代社会における文化の大きな特徴は、生産・流通・消費のいずれの過程においてもテクノロジーが深く媒介している点にあります。したがって新しいテクノロジーの登場によって、現代の文化的事象は大きな影響を受けながらダイナミックに変化しつつあります。しかしながら、情報社会などという言葉が生まれるはるか以前から、影絵によるプロジェクションが親しまれてきたように、あるいは祭りの中で歌い踊ることが続けられてきたように、映像や音楽を楽しむことは非常に長い歴史を持っています。古くから文化は日常的な楽しみだけでなく、人々を結びつけ、共同性や秩序を立ち上げるとともに、そうした日常的な関係性を異化し、変容させる役割も果たしてきました。またハリウッド映画や近年のポピュラー音楽のように、現代ではそのプロセス全体が巨大な産業構造の中に組み込まれています。現代社会において文化は、高度なテクノロジーに媒介されることで、日常生活や人々のネットワーク、都市や産業のあり方にどのような影響を与え、またどのように変化しつつあるのでしょうか。

こうした問いに向き合うためには、現代の文化に対する知識と、変化しつつあるテクノロジーについての関心、そしてそれらを総合的に分析するための社会学的な視点が求められます。本ゼミでは、文化社会学とメディア研究の双方の視点から、現代社会の文化について考えるための方法と知識を習得することを目指します。映像文化を中心に扱いますが、各自のテーマは必ずしも映像でなくとも構いません。

使用するテキスト・主要な参考文献
  1. 大久保遼『これからのメディア論』( 有斐閣、2023 年)
  2. 飯田豊編『メディア技術史: デジタル社会の系譜と行方』( 北樹出版、2017 年)
  3. 石田佐恵子・岡井崇之編『基礎ゼミ メディアスタディーズ』( 世界思想社、2020 年)
  4. 伊藤守編『ポストメディア・セオリーズ』( ミネルヴァ書房、2022 年)
  5. 門林岳史・増田展大編『クリティカルワード メディア論』( フィルムアート、2021 年)
  6. 加藤幹郎『映画館と観客の文化史』( 中央公論新社、2006 年)
  7. 梅田拓也・近藤和都・新倉貴仁編『技術と文化のメディア論』( ナカニシヤ出版)
  8. 長谷正人編『映像文化の社会学』( 有斐閣、2016 年)
  9. 見田宗介『社会学入門』( 岩波書店、2006 年)『現代社会の理論』( 岩波書店、1996 年)
  10. 光岡寿郎・大久保遼編『スクリーン・スタディーズ』( 東京大学出版会、2019 年)
  11. 吉見俊哉『メディア時代の文化社会学』( 新曜社、1994 年) など
ゼミの進め方

前期は共通するテーマでのディスカッションとグループワークが中心、後期は各自の研究テーマに基づいた報告を中心に行います。昨年度は前期では、映像・音楽・広告の 3 グループに分かれて現状と今後の展望についてグループ報告を行いました。後期は履修者が各自定めたテーマについて調査を実施し、研究報告を行います。最終的に 3 年生では 1 万字程度のゼミ論、4 年生では 2 万字程度の卒論を執筆することが目標です。なお、参加者の関心などを考慮し、講読する文献やテーマについては調整しながら進めていく予定。また希望があれば、フィールドワークを実施します。

ゼミについては大学広報による取材記事もご覧ください。
ゼミ訪問~社会学部社会学科 大久保ゼミ~

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