教員紹介ページへ
専門領域あるいは担当科目の紹介
高齢者福祉論A・B
高齢者のことを理解し、高齢者を取り巻く社会問題について時代背景とともに学ぶ科目です。その際には、高齢者を支えてきた社会福祉政策がどのように成立し、どのように変わってきたのかについて検討していきます。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために高齢者の介護問題に限らず、高齢者が生きてきた人生を理解した上で、必要な支援システムを構築する必要があることを理解する授業です。
また、高齢化社会から高齢社会を経て、超高齢社会に入った現在、高齢者個人が抱える課題はどのように変わってきており、家族や地域社会でのインフォーマルサポートをはじめ介護保険制度などのフォーマルサポートがどのように対応しているかについて理解することを目標とします。
専門領域の理解を深めるための文献紹介
- 冷水豊編『「地域生活の質」に基づく高齢者ケアの推進』有斐閣、2009年
事例調査と統計調査に基づき、介護保険を中心としたフォーマルケアだけでなく、ボランティアなどによるインフォーマルケアの望ましい機能分担について考えさせられます。
- 宮崎和加子『認知症の人の歴史を学びませんか』中央法規、2011年
認知症の人が国内で歴史的にどのような暮らしをしてきたのか、当時の写真や関連データを通して具体的に提示しています。本書を通して、認知症の人に対する社会的な支援がどのように変わってきたのか、また認知症の人への支援の在り方について考えさせられる一冊となっています。
- 六車由実『驚きの介護民俗学』医学書院、2012年
介護施設に通う高齢者一人ひとりの物語が民俗学者によって丁寧に紹介されています。高齢者施設に実習に行きたい人にとって必読書といえます。
- 山村基毅『ルポ介護独身』新潮新書、2014年
介護される側だけでなく、一人で介護している人が置かれている状況を理解することによって、どのような社会的支援が求められているか理解することができます。
- 斉藤雅茂『高齢者の社会的孤立と地域福祉』明石書店、2018年
高齢者の社会的孤立が深刻な課題となっている現代社会において、様々なデータを用いて高齢者の社会的孤立について検討しています。今後、地域社会で高齢者の孤立を予防・軽減するために必要な支援について勧化させられる一冊です。