現在の日本は、子どもに関する様々な課題を抱えています。そしてそれは、ごく一部のマイノリティな子どもたちに限られているわけではありません。子どもたちひとり一人が伸び伸びと生きていくこと、そして、大人になってからも「生きづらさ」を抱え込まずに生きていけるよう支援していくことが求められていると思います。
児童福祉論A・Bでは、現在、日本が抱えている子どもに関する課題を取り上げ概観します。まず、日本の子育てをめぐる現状、子どもの権利、子どもの福祉の歴史や日本の子ども関連の法体系、実施体制、財源などの児童福祉の基礎的なことを学んでいきます。そのうえで、多くの親が直面する子育ての難しさ(それを軽減するための子育て支援の現状と課題)、ひとり親家庭、子ども虐待、親と一緒に暮らせない子どもがうける社会的な養護などを学びます。授業では、新聞や事例、また視覚教材などを通して、できる限り実践を意識した学びを展開したいと思っています。
私たちが「当たり前」と思っていることが「当たり前」だとは限りません。人の数だけ、多様な人間がいて、多様な家族があり、多様な状況に置かれている子どもがいます。そして、それらには日本の政策や社会の在り様が少なからず影響を及ぼしています。しかし、子どもや家族の置かれた困難な状況に対して、子どもや家族の身近に支援があり、それが有効に作用すれば、事態が好転する可能性があるでしょう。そのために児童福祉・児童ソーシャルワークがどのような役割を果たすことができるのか、検討していきたいと思います。
児童養護施設を舞台に繰り広げられる生活の一端が見えてきます。とても読みやすく考えさせられる一冊です。
児童相談所での児童福祉司の業務の概要が分かりやすく書かれています。また、実際の現場で児童福祉司がどのように子どもや親とかかわっているのかについて事例から学ぶことができます。
イギリスの社会人類学者である筆者からみた日本の児童養護システムの全体像が描かれています。筆者がフィールドワークを行った児童養護施設について描く過程で、社会的養護を受ける子どもが措置される各施設の状況、加えて、ひとり親家庭、里親制度のことなどが詳細に記述されています。
様々な論者が児童養護を論じている一冊です。児童養護施設などの現場の出身者、実際の里親からの論考、社会的養護の歴史、海外の児童養護などがあり、幅広く現状を知ることができます。
子どもが大好きで、ずっと子どもに関わってきました。今は社会的養護や里親に関する研究をしています。子どもにとって何がベストであるのか、皆さんと一緒に考えていきたいです。