明治学院大学

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社会学部

社会福祉学科

社会福祉学科

地域で生活する子どもと子どもを支援する活動を知る(担当教員:山下順三)

1.フィールドワークの趣旨
 身近な地域で、実践されている子どもへの支援活動に参加体験することにより、子ども自身の貧困や社会的孤立などの生活課題だけに目を向けるのではなく、子どもに対する支援活動の環境整備を行っている実践者たちへも目を向け、実践の意義についての理解を深め、学生自身が地域の問題発見や課題解決について能力を向上させることを目指しました。【参加学生10名】

2.フィールドワークと事前事後学習の概要
【春学期】
春学期では、フィールドに参加する前に、子どもを取り巻く社会環境やその課題などについての学習を行うとともに、主に秋学期から参加する各フィールドの具体的な活動内容について説明を行いました。
【秋学期】
秋学期では、フィールドに出る前に学生たちが自ら質問を作成し、実際のフィールドワークに臨みました。

【参加したフィールド】
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それぞれのフィールドに参加した後は、学生が質問への回答に基づき報告を作成し、活動の意義や学生が感じた課題点などについて授業で共有を図ることにしました。
また、参加する前後で、自身の活動に対する捉え方の変化などについて、意見を述べることとし、全体としての意見を次の2点にまとめました。
①各活動に共通することは、活動の手法などが違っていても、地域において子どもが安心して参加できる地域の見守りとしての居場所(サードプレイス)の提供を目指している。
②活動を継続するためには、制約と負担の少ない運営と担い手や受け手の区別を設けず、誰もが参加できる環境を整えることが必要である。

3.主なフィールドの紹介

①「こまじいのうち」―まちの居場所
都会の真ん中にある「まちの居場所」として、地域の方々の手により、誰もがいつでも来られるコンセプトをもって運営を続けています。現在は、地域の任意団体からNPO法人へと移行して、地域子育て拠点も運営しており、高齢者から乳幼児まで幅広く活用されています。

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代表の方、文京区社協の方と一緒に

②「うさぎ山プレイパーク」―プレイパーク
横浜市神奈川区内にある公園の一角をプレイパーク専用エリアとして、公園の運営委員会が運営をしています。
週4日程度開園(10:00~17:00)し、プレイリーダーは2名で、地域の子育てグループや、保育園児などをはじめ、小学生、中学生が利用しています。
運営の基本は、利用者に対し厳しい制約は設けず、また個人のプライバシーを尊重しています。そのため不登校児なども頻繁に利用しており、誰もが来やすい環境を維持しています。パーク内での遊び方は、利用者の自主性に任せています。

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プレイリーダーの方と地域の小学生たちと

③「みんなの食堂」―子ども食堂
横浜市西区第4地区社会福祉協議会が主催し、地区内各自治会が分散して開催している食の活動です。
5年前に地区内の小学校から夏休みの間、問題のある家庭の子どもに対して事業展開ができないかとの相談をもとに、長期休暇中(夏、冬、春)に、地区内の自治会館を活用して、分散開催を始めたそうです(複数日参加できるため)。
調理団体は自治会だけでなく食生活改善委員や、民生委員などが担っており、対象も活動当初の子どもから、孤食防止という視点で利用者層を広げて運営しています。現在は、コロナ感染により、会食形式を控えTAKEOUT方式を行っています。食数は1か所100食分提供しているそうです。

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受付のお手伝い うしろは調理中


4.振り返り
 2021年度のフィールドワークは、コロナ感染の状況により、受け入れ先の状況も不透明でありました。しかし感染が落ち着いた時期に、こちらの要望を受け入れていただき、結果として、3種類5団体の活動に参加することができました。これは学生にとっても貴重な体験であったと考えられます。
しかし残念なことに、コロナ感染により、先々の予測が難しかったこともありますが、制限された期間内のフィールドワークであったため、学生に対する参加調整の時間が短く、結果として日程調整が難しかった学生もおり、この点は代替措置など、何らかの改善が必要であると思います。

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