社会福祉学科では、人々がより良い生活を営み、ウェルビーイングを高めるために、どのような支援ができるかを、国内、外国、グローバルの視点から幅広く学びます。
3年生と学習する明石ゼミ(演習1)は、国際福祉をテーマに開発途上国が直面している問題やグローバル化する社会が抱えている問題を学び、プロジェクトによる支援方法を考えます。開発途上国の子どもたちが直面している問題、貧困、ジェンダー格差の課題、日本国内の外国人のニーズなどについて知識を深めます。そして、これらの課題に取り組むプロジェクトを計画します。プロジェクト開発に必要な知識、ニーズ・アセスメント、思考法などについて学習し、チームを組んで開発していきます。より良いチームワークを作り上げていくため、リーダーシップ、チームワークについても学習します。
ゼミでは、毎年、異なるプロジェクトにチャレンジしますが、これまで、Table for Twoという、アフリカの子どもたちの学校給食を支援するシステムの学内導入、外部助成金を活用した東日本大震災復興支援、ポスト・ミレニアム開発目標(開発途上国の問題を解決するために2015年以降に世界レベルで取り組む目標)への提言などを実践してきました。
また、学内での学習に加え、学外での学習も大事にしています。これまでに、バングラデシュの社会起業家モハマド・ユヌス氏のセミナー、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の白熱教室、IMF・世界銀行年次総会などの国際的な会議やイベントに参加してきました。
2014年度の春学期、多文化ソーシャルワークの視点から、社会福祉学科の留学生をサポートするシステムとして、バディー制度の開発に取り組んでいます。秋学期は、開発途上国、新興国の人々とのBOPビジネスについて学習する計画です。
プロジェクトを開発するためには、ニーズを分析することが必要です。そのためのツールとして、問題系図の作成方法を学習します。
プロジェクトのアイデアを発展させていくための基本ツールとして、実社会で活用されているKJ法、フォース・フィールド・アナリシス、SWOT分析、プロジェクト・サイクル・マネージメント(PCM)、ブルーオーシャン戦略などを学びます。授業の始めにこれらのツールを学生たちに紹介すると、それらが何を意味するのか想像できないという表情を見せますが、ゼミが終了するころには、これらのツールを使ってアイデアを整理し、ディスカッションを活発に進めていけるようになります。
ゼミは、社会で重要となるチームワークで進んでいきます。そのためにリーダーシップ、 マネージメント、グループ・ダイナミックス、チームへの貢献などについても理解します。
グローバル化の進む社会では、自己の意見を伝え、理解してもらうことも重要です。ゼミでは、たくさんの発表経験を積むことでプレゼンテーション力を高めていきます。
ゼミ生たちはたくさんの課題をこなし、積極的に取り組んでいます。「福祉開発コースの学生として、グローバルな視点をもって、大学時代にチームで開発する。」こうした経験は、将来、必ず役立ちます。
Think globally, act locally!
文章:明石留美子