明治学院大学

明治学院大学

社会学部

社会学科

社会学科

加藤ゼミ

加藤 秀一(専攻領域:ジェンダーとセクシュアリティの社会学)

教員紹介ページへ

ジェンダー/セクシュアリティをめぐる様々なテーマを社会学的に考える

テーマの説明

日本語でいう「性」や「性別」といった概念に関係する現象は幅広い。そもそも、ひとりの人が女であるとか男であるとかいうことが何を意味するのかということからして、きわめて社会学的なテーマである。それは単に肉体の作りで決まるような話ではないのだ。さらにそこから、性愛や恋愛の規範、家族・学校・労働といったさまざまな場における性別役割や性差別、性暴力やDVといった暴力の問題も派生してくる。社会の中で、「性」「性別」と無関係の領域などありえないように思われる。

そのように多岐にわたる〈性〉現象の現実を把握するために、いくつかのテキストを読みながら、議論してみたい。特に、性と性別をまとった「身体」がどのように社会によって意味づけられているかという問いを軸として、さまざまな素材を分析してみたい。

使用テキスト・参考書・論文等

(1)演習1は 3 年次以上の学生のための「専門」科目なのだから、ジェンダー論、セクシュアリティ論、フェミニズム理論などの入門書はあらかじめ読んでおくこと。最低限、①加藤秀一『はじめてのジェンダー論』(有斐閣)、②加藤秀一・海老原暁子・石田仁『図解雑学 ジェンダー』(ナツメ社)の内容は押えておいていただきたい。

(2)テキストとしては、江原由美子の論文「からかいの政治学」(『女性解放という思想』)を数回かけて精読することから始める。他の文献はまだ決めていないが、過去には風間孝・川口和也・守如子・赤枝香奈子『教養のためのセクシュアリティ・スタディー ズ』、鹿野政直『現代日本女性史』、天野正子ほか編『表現とメディア』などを読んだ。

ゼミの進め方・ゼミ合宿など

(1)文献を精読し、その内容をしっかり理解したうえで、参加者各自が論点を見出し、それをめぐるディスカッションを行う。どんな分野のどんな勉強や仕事をしていくにも、土台になるのは、文章(テキスト)を正しく読む力である。しかし実際には、「書かれていることを、書かれている通りに読む」という基礎的なことができない人が驚くほど多い
(というか、それができる人は全体の2,3割しかいないかもしれない)。このゼミではその点を徹底して鍛える。抽象度の高い文章を読むときは、まずその論旨をつかんだ上 で、そこに書かれてあることがどういう具体的な事柄に対応するのかをつねに考え、さらに必要なデータや資料を自分で調べて補うといった能動的な読み方が必要だし、反対に、ひたすら具体的なデータが羅列されるような文章(典型的にはインタビュー記録や、統計データの解説など)の意味をしっかりつかむには、そこから何を取り出すかという問題意識や仮説をもって読まなければならない。こうした読む力を鍛えることがこのゼミの第一の目標である。それが有意義なディスカッション(ディベートではない)の土台にもなる。

(2)授業外の課題として、毎月 2 冊の本(ジャンルは社会学、哲学、社会思想、経済 学、歴史学、文学研究、など)を読んで、それぞれにつき 800 字程度の紹介・批評を書いてもらう。レポートは添削して返却する。卒業生諸君と話をすると、進んだ分野を問わず多くが「読書レポートは大変だったが非常にためになった」と言ってくれるので、僕の方も大変なのだが今年も継続したい。大学生のくせに読書が嫌いなどという人はお断わり。

(3)夏休みの終わり頃にゼミ合宿を行なう予定。毎年、サークル活動などを優先して欠席する人がいるが、なるべくそういうことはないようにしてもらいたい。

(4)年度末に自由テーマの「ゼミ論文」を提出してもらう(8000~10000 字)。これは学年末試験に代わるものであり、平常点とともに、単位取得のための必須条件である。

社会学部生のための手引き集

学びのガイド

社会学科・社会福祉学科の情報を発信しています。