このゼミでは、対人関係における心理過程や行動、および対人関係の形成や維持、解消 に関わる要因について、検討する。私たちは、家族や友人、恋人、サークルの仲間など、様々な人と関わり合いながら生活している。こうした対人関係の中には、入学や進学を機に新たに形成された関係や、昔からの知り合いや友人など長く維持され続けている関係もある。一方で、利害の対立や環境の変化などで対人関係が解消を迎えることもある。このゼミでは、主に友人関係や恋愛・夫婦関係に焦点を当て、こうした対人関係における人間の心理や行動、また対人関係の形成・維持・解消に関連する要因を、質問紙調査や行動実験を通じて、実証的に検討していく。
対人行動の多くは、行為者の性格特性や魅力度などの個人要因だけでなく、行為者と受 け手との関係性や、行為者を取り巻く社会状況といった社会的要因によって影響を受ける。このゼミでは、こうした個人と社会状況との影響を包括的に捉える社会心理学的観点に立ち、性格特性や魅力度といった個人要因と、社会環境や文化といった社会状況要因が対人関係に与える影響について検討する。
ゼミのテーマとしては上記の通りだが、ゼミ生の希望に応じて、上記以外の社会心理学に関わるテーマについても扱うことがある。
(1) 1 年をかけて、主にグループで量的研究(質問紙調査や実験)を実施します。得られた研究成果については、学術論文の形式でゼミ論を執筆し、ゼミ内で発表会を行います。
(2) 春学期の前半では、対人関係研究について文献検索を行い、先行研究の背景や内容を理解したうえで、先行研究でまだ明らかにされていない課題を整理し、各自の研究テーマを決めます(下記のレポート課題 が、その導入にあたります)。
(3) 春学期の中頃に、各自の研究テーマに基づいてグループ分けを行います。春学期後半にかけて、各グループで研究テーマに関する文献講読を行い、それに基づいて具体的な研究計画を立てます。適切な研究方法の選定や、質問紙や実験マテリアルの作成を行い、研究実施に向けて準備を進めます。
(4) 夏休み中に質問紙調査または実験を実施してデータを収集し、秋学期に統計ソフトを用いてデータの統計的分析を行い、研究結果の発表、およびゼミ論の執筆を行います。
ゼミ内で相談しながら、各自で関心のあるトピックに関する文献検索・講読を行います。そのトピックを探すための導入として、以下を参考文献として挙げておきます。
これらの文献は、あくまでも各自の研究関心を探すための導入であり、実際のゼミ内では、主に英語の学術論文を講読します。