明治学院大学

社会学科

社会学科

澤野 雅樹

Masaki Sawano
教員紹介プロフィール写真
7-1017(ヘボン館10階)
03-5421-5355
m.sawano@gmail.com

近年の研究テーマ

  1. 1. 2025年はジル・ドゥルーズを巡る著作を作る予定だ。生誕100年にして没後30年に当たる2025年は彼を巡る言葉が氾濫する年になるだろうが、その一角に特異な言葉の塊を食い込ませたいと企んでいる。企みの内実はひ・み・つ。
  2. 2. 後藤浩子・矢作征男とのユニット、サドッホの2冊目の単行本も作らなければならない。タイトルは未定だが、既発表論文を叩き台にして、第1弾の『セックス』よりもカオスの臭気が濃厚な論文集になるものと思われる。啓蒙的な一般書から遠く離れたものになるだろうが、とはいえ一部の専門家にしか通じない専門書でもなく、いわば想像しうる範囲よりも遠くの読者と遭遇することをのみ望む「本」になるだろう。希望としては2025年に発表したいが、26年にずれ込むことは前もって覚悟しなければなるまい。
  3. 3. 以前に内藤潔氏と共著で「愚行の社会学」と題した論文を5本ほど立て続けに発表したのだが、500枚以上書きながら、どうにも消化不良というか、いわば「やり切れていない」との印象ばかりが残っていた。その印象は今や「どうして我々はデヴィッド・グローバーの『ブルシット・ジョブ』に到達し得なかったのか、もしくはそれを鯨飲する射程を持ち得なかったのか」と言い換えられる。今後、数年かけて一個の文明論ないし近代人論として『愚行の社会学』を再編成する必要を痛く感じている。できれば2026年から27年年に著作として世に問いたい。
  4. 4. クソみたいな言葉が横行している。コンプライアンスだのガバナンスだの腐臭を放つ言葉が氾濫する社会はまた、告発や糾弾の言葉が溢れ、処罰感情が蔓延する社会でもある。つまり誰もが誰も「許さない社会」である。キリスト教をはじめとする宗教や道徳のなかに、この冷血な超近代社会が喪失しつつある救済の可能性がわずかながら残っているとすれば、それこそ「赦し」にしかないだろう。許し得ないもの・ことを「赦す」そのわずかな可能性を哲学的に模索・追究する。ルネ・シェレール『歓待のユートピア』の射程を延ばしつつ、その先でミシェル・フーコー『肉の告白』へのアンサーソングを奏でてみたい。

担当授業

主な学部担当授業

  • 犯罪社会学(春)
  • 暴力の論理学(秋)

主な大学院担当授業

  • 犯罪社会学研究

主な業績

  1. 著書(単著)『オッペンハイマーの時代:角の傘の下で生きるということ』、2024年6月、言視舎。
  2. 著書(単著)『〔犯罪社会学講義〕科学と国家と大量殺戮 物理学編』、2023年11月、言視舎。
  3. 著書(単著)『〔犯罪社会学講義〕科学と国家と大量殺戮 生物学編』、2022年12月、言視舎。
  4. 著書(後藤浩子・矢作征男とのユニット)サドッホ『セックス』、2021年11月、法政大学出版局。
  5. 著書(単著)『ミルトン・エリクソン:魔法使いの秘密の「ことば」』、2019年9月、法政大学出版局。新装版、2025年3月。
  6. 著書(単著)『絶滅の地球誌』、2016年11月、講談社選書メチエ。
  7. 著書(単著)『起死回生の読書!――信じられる未来の規準』、2016年11月、言視舎。

社会的活動

原則として役に立つことと正しいことはしないことにしているので、ありません。たとえあったとしても、ひた隠しにします。

メッセージ

勉強のイメージは、やりたいことがあってもそれを控え、つらくてしんどいことを我慢してするという感じでしょうか。つまり、義務を課されて、欲望を抑え、責任を果たすというイメージです。さしずめ快楽のないマゾヒズムです。このような勉強にともなう負のイメージを一掃し、むしろ欲望を大事に育み、余すところなく解き放とうとすれば、学問の真の姿が見えてきくるでしょう。本来の学問の世界は刺激的な遊びに満ちていて、無限の自由が広がる世界です。それがわかるまでには相応の時間と労力が必要ですが、大学生活という時空は学問が遊びの世界であり、しかも深くなればなるほど快楽も大きくなることを知るためにあります。言い換えるなら、もし遊びの要素を失えば、創造性と活力がすぐに失われ、間もなく学問的な営みも事実上の死を迎えてしまいます。

私たちは知の世界の泳ぎ方をいくつか伝授するでしょう。新入生は高校生の心性からできるだけ早く離れてください。在校生は刺激的な遊び心を体得できたかどうかを自分に問い尋ねながら、貪欲に出会いの場を探してください。卒業生は遊び心を失わず、つまり仕事とは異なる脳の使い方があったことを忘れず、ときには大学の講義に足を運んでください。たぶん、いいことがあります。

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