皆様、大学院修了ならびに学位取得、まことにおめでとうございます。
本来であれば、修了式・学位授与式において、ご挨拶とともに直接学位記をお渡しするはずでしたが、今般の新型コロナウィルスによる感染症の拡大のために、このような形でのご挨拶となってしまい、まことに申し訳ありません。
しかしながら、皆様もご存じの通り、そしてほかならぬ皆様ご自身がその証立てとなっておられますとおり、明治学院大学大学院社会学研究科は、両専攻ともに、困難な時代にあって、困難な状況とともにある人々に思いをはせて研究を重ねる人材を輩出してまいりました。ことに近年は社会人院生として、実務経験で得た問題意識を学術的に深化させようという方々が、社会福祉学専攻のリカレントの皆様を含めて多数この学び舎に集われ、博士論文を含めて多くの成果を出されています。またアジアを中心に多くの留学生もまた、日本で本格的に社会学・社会福祉学を学ぼうと本研究科の門を叩いてくださっています。
奇しくも「エマージング感染症」の典型であるところの今次感染症もまた、今日のグローバル化し、急激な成長とともに大きな社会変動を経験する世界ならではの課題であり、今日の我々にとっての試練であります。本研究科を修了された皆様が、本研究科で得た知見、鍛えた研究能力をもって、学術研究を通じて、あるいは実践の場において、新たな試練に立ち向かわれんことを期待しております。
社会学研究科委員長 社会学専攻主任 稲葉 振一郎