福祉開発コース・金子ゼミ(3年)は、貧困・孤立・社会的排除、最低生活保障、暮らしやすい地域づくり等をテーマにしています。
2020年度のゼミでは、コロナ禍を受けて拡大した貧困・孤立問題に焦点をあて、母子世帯・シングルマザーの生活実態、ワーキングプア・個人事業主の実態、若者の孤立と就職難といったコロナ禍における最新の「貧困」のリアルについて調べて報告をまとめました。
2021年度のゼミは、ベーシックインカムの議論と世界の所得保障制度の動向について研究をおこないました。海外のwebサイトや最新の論文もチェックし、イタリアの公的扶助制度、フィンランドのベーシックインカム実験、イギリスの公的扶助制度の再編、韓国のベーシックインカム論の実態と課題をリサーチし、社会学部学内学会でゼミとして研究報告をおこないました。
研究の結果、普遍的な「ユニバーサル・ベーシックインカム」だけでなく、各国には多様なベーシックインカムの議論や導入事例があることがわかり、しかし研究を進めるほどそれらが貧困対策としてどれほど有意義なものになっているのかという疑問が広がっていきました。
また、ベーシックインカムや所得再分配にかんする学生意識アンケート調査を実施し、その分析から収入・社会参加等の「条件つきベーシックインカム」の導入が現実的であり、貧困対策として最も効果的であるという考察をしました。 (金子充)
*ゼミの研究成果は金子ゼミホームページ(https://kanekoju.wixsite.com/my-site)をご覧ください。