2018年11月19-20日、国立シンガポール大学(NUS)のアジア研究所(Asia Research Institute)が主催した「古い絆と新しい紐帯:アジアの再婚とステップファミリーにおけるトランジッションの理解(Old Bonds, New Ties: Understanding Family Transitions in Re-partnerships, Remarriages and Stepfamilies in Asia)」という国際学術会議で「アジアのいくつかの社会におけるステップファミリー・ダイナミクスの類似性と多様性(Similarities and Variations in Stepfamily Dynamics among Selected Asian Societies)」というタイトルで基調講演を行って来ました。
日本のほか、シンガポール、マレーシア、インド、バングラディッシュ、中国、韓国、パキスタン、ベトナム、カンボジアなど多様なアジアの社会のステップファミリーや再婚に関する報告がありました。これまでステップファミリー研究がほとんどなされていなかったアジア諸国で研究展開が始まっていることを実感し、感動しました。基調講演者のもう一人は、米国のアイオワ州立大学のスーザン・スチュワート教授。スーザンさんとは、12年前の米国在外研究時に学会でお会いして以来12年ぶりの再会となりました。大変有意義な研究交流の機会となりました。この会議の詳細はこちらのサイトをご覧ください。
https://ari.nus.edu.sg/Event/Detail/61f16416-e54f-4249-86f2-33570fcb9e97
この会議に先だって、シンガポールのマレー/モズリム系を対象としたステップファミリー専門の支援センター(PPIS Vista Sakinah, Centre for Remarriages & Stepfamilies)と離婚家族支援センターのひとつ(THK Centre for Family Harmony @ Commonwealth)を見学させていただき、スタッフと突っ込んだ議論をさせていただきました。こうした多様な家族・子ども支援に熱心なシンガポール社会の実情に触れ、大変刺激を受けました。前者のセンターの所長代行のサレハさんは、4月に明治学院大学社会学部付属研究所を訪れ、講演してくれた方です。
有意義な研究交流を行い、研究関心の近い世界の研究者たちとネットワークを形成できた今回の会議参加は、今後の研究展開につながる貴重な経験になりました。
【写真左】基調講演後にスーザンと野沢が質問を受ける。【写真右】登壇者の記念撮影。
【左】Centre for Remarriages & Stepfamilies、【右】THK Centre for Family Harmonyの2つの家族支援センターを訪問し、スタッフにお話をうかがいました。
(文責:野沢慎司/社会学科教員)