1年次秋学期に開講される「社会学基礎演習」は少人数で社会学についてより深く学ぶゼミ形式の授業です。そのなかで、身の回りにあるエスニック・コミュニティや多文化共生のリアリティの一端にふれるために、履修生それぞれが現地調査を行いました。どのような地域に、どのような文化的背景を持つ人々が、どのように暮らしているかなどについて、実際に足を運び調べた結果を報告してもらいました。
わたしたちの暮らす社会は、今日ますますエスニックな厚みが増しています。エスニック・アイデンティティは多様化し、「われわれ」と「彼/彼女ら」の境界はこれまでになくあいまいで、容易には捉えられないものとなっています。
わたしたちは、日々の生活のさまざまな場面で、異なる文化が折衷されたり流用されているものごとに出会い、それを経験し、楽しみや喜びを感じます。他方で、同じコミュニティの一員でありながらも、さまざまなルーツを持つ人びとへの理解が不十分であることから、内部で摩擦や衝突が生じることも少なくありません。
(松波)