ソーシャルワーク方法論の基本的な事柄を学ぶ科目です。ミクロ・レベルのソーシャルワークのうち、個人や家族を中心とした実践の展開過程の特徴と支援の方法を学びます。講義で中心となるのは、人と環境の交互作用に焦点を当て、クライエントとともにどのようにして問題解決を図るのかという、ジェネラリスト・ソーシャルワークの基本的な知識を修得することです。ジェネラリスト・ソーシャルワークとは、1990 年代以降に、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワーク(コミュニティ・オーガニゼーション)といったソーシャルワークが融合して発展した統合的なソーシャルワークのことです。
ソーシャルワークは、単なる「やり方論」ではありません。方法論を学ぶ中でも、ソーシャルワークそのもののあり方を問うことや、人間観、社会観などについて考える営為が必要不可欠です。この講義を通じて、学生のみなさんが「ソーシャルワークとは何か」を自分の言葉で表現できるようになり、ソーシャルワーカーとしてのアイデンティティを獲得していくことを期待しています。
福祉を志す高校生・大学生へのメッセージ
学問とは非常に孤独な営みです。しかし、開いた本の頁に書かれた言葉の中に、あるいはどこかで耳にした一言の中に、自分と連なる「誰か」を見つけることでしょう。それは、他者に向かって開かれているということです。
社会福祉学は、誰かを「支援」するため(だけ)の学問ではありません。他者と決して分かち合えないものを抱えながら、それでも他者なしには存在しえない私たちが、どのようにすれば共に生きていくことができるのかを探究する営為です。その中には、自分自身の生き方や、社会のあり方を問うことも含まれていることでしょう。