明治学院大学

社会学科

社会学科

元森 絵里子

元森 絵里子
Eriko Motomori
元森 絵里子
1-0701(本館7階)
motomori@soc.meijigakuin.ac.jp

近年の研究テーマ

「子ども」をめぐる言説の歴史と現在を描く試みを続けてきました。「子ども」はそれ自体で価値があり、「社会」の要だから重要であるという2つの感覚を焦点に、私たちは事あるごとに「子ども」とその処遇の制度である教育を語り続けてしまいます。こういった語りの来し方行く末を明らかにすると同時に、それを異化する理論と、異化するような多様な子どもと社会の歴史の記述を模索しています。

担当授業

主な学部担当授業

  • 教育社会学
  • 子どもの歴史社会学

主な大学院担当授業

  • 子どもと教育研究

主な業績

単書

  1. 『はじめての子ども論―子ども観の歴史社会学』有斐閣, 2025年
  2. 『語られない「子ども」の近代――年少者保護制度の歴史社会学』勁草書房, 2014年
  3. 『「子ども」語りの社会学――近現代日本における教育言説の歴史』勁草書房, 2009年

翻訳書

  1. アラン・プラウト『これからの子ども社会学――生物・技術・社会のネットワークとしての「子ども」』(元森絵里子訳)新曜社, 2017年

共著・共編著

  1. 元森絵里子・ハン・トンヒョン編『成人式を社会学する』有斐閣, 2024年(「「成人式」への社会学的アプローチ──社会のしくみの襞を浮かび上がらせる」「成人式言説の変遷と青年・若者観──年齢をめぐる普遍性と階層性の忘却」担当)
  2. 元森絵里子・高橋靖幸・土屋敦・貞包英之『多様な子どもの近代――稼ぐ・貰われる・消費する年少者たち』青弓社, 2021年(「はじめに――二〇二〇年代初頭の光景から」「子ども観の近代性と多様性への視角――「誕生」図式を問い直す」「「稼ぐ子ども」をめぐるポリティクス――児童保護をめぐる多様な論理」「多様性としての近代から現代へ」担当)
  3. 元森絵里子・南出和余・高橋靖幸編『子どもへの視角――新しい子ども社会研究』新曜社, 2020年 (「はじめに」「子どもをどう見るか─―20世紀の視角を乗り越える」担当)
  4. 貞包英之・元森絵里子・野上元『自殺の歴史社会学――意志のゆくえ』青弓社, 2016年 (「自殺を補償する――二十一世紀転換期の過労自殺訴訟」「自殺を予見する―現代のいじめ自殺訴訟と子ども・教育」「あとがき」担当)
  5. 相澤真一・土屋敦・小山裕・開田奈穂美・元森絵里子『子どもと貧困の戦後史』青弓社, 2016年 (「大人と子どもが語る「貧困」と「子ども」――どのようにして経済問題が忘れられていったか」担当)
  6. 日本教育社会学会編(稲垣恭子・内田良責任編集)『教育社会学のフロンティア2 変容する社会と教育のゆくえ』岩波書店, 2017年 (「子ども観の変容と未来――子どもの多様性の発見の時代、子ども社会学は何を問うべきか」担当)

論文

  1. 「〈子ども支援=教育保障〉の歴史的位相――子ども期の/を通した統治の変遷」『現代思想』第52巻5号, 2024年, pp.156-165.
  2. 「子ども理解の現代的課題――近代教育批判から教育と福祉の連携の先に」『子ども社会研究』第28号, 2022年, pp.55-67
  3. 「モダニティと複数形の「子ども」―特集「「子どもらしさ」へのアプローチ3 多様な子ども」のねらいに代えて」『子ども社会研究』第24号, 2018年, pp.7-22
  4. 「社会化論という想像力をめぐって―「子ども」の奇妙さと「社会」の強固さ」『年報社会学論集』第22号, 2009年, pp.174-185
  5. 「子どもへの配慮・大人からの自由―プレーパーク活動を事例とした「子ども」と「大人」の非対称性に関する考察」『社会学評論』第57巻3号, 2006年, pp.511-528.

社会的活動

  1. 日本子ども社会学会:研究交流委員(2013~2016年度)、紀要編集委員(2015~2022年度)、倫理委員(2023~2024年度)、理事(2019~2022, 2025~2026年度)
  2. 関東社会学会:理事・研究委員(2019~2022年度)、開催校理事(2023年度)
  3. 日本教育社会学会:研究委員(2015~2016年度、2021~2022年度)、編集委員(2023~2024年度)、代議員(2023~2024年度)
  4. 日本社会学会:社会学評論編集委員(2023~2024年度)、理事(2023~2024年度)
  5. 国立青少年教育振興機構研究倫理委員(2019年度~2026年度)

メッセージ

がむしゃらに勉強(仕事)すること、勉強(仕事)以外の何かにまい進すること、ホントどうしようもない時間を過ごすこと――。学生時代にはこの3つのどれもが重要で、3つのすべてを思い切りできるのが学生時代なのかなと思います。往々にして3つのバランスはしっちゃかめっちゃかになるのですが(自戒をこめて)、それもまた許されるのが学生時代かもしれません。

社会学は、社会の見方を教えてくれますが、対象としての社会とは自分で出会わねばなりません。多くの経験を積んでください。そして、その経験の見方を一緒に考えましょう。

ゼミ紹介

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2025年度は、「子ども支援の現在を考える――港区プレーパーク研究」をテーマとして設定します。3年生では、みなと外遊びの会運営のプレーパークの活動にも参加させていただきつつ、子ども支援の背後にある子ども観の歴史と、政策や実践の現状を学びます。現場の経験から関心を練り上げ、時代背景を踏まえて現在の問題を考える視角を習得してもらうことも狙っています。

4年生では、テーマに適した調査方法の選び方や論理の立て方を勉強しつつ、集大成としての卒論をまとめます。余裕があれば、理論書の輪読も行います。

授業時間では、人数の都合上パッケージ化した形で進めざるを得ないのですが、なんでもやりたいテーマをどんどん進めていくことを応援します。そもそも子どもや教育には、強制・詰め込みか自発性・学習者尊重かといったアポリアがつきまといます。では、教育の見方を教育することになっている教育社会学のゼミはどうしたらよいのか...。教員も答えがないのです。よって、基本的に課題という枠だけつくって「それぞれ何かをつかんでもらおう作戦」をとりつつ、レクリエーション等は学生おまかせのゆるゆる体制でやっています。

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